錆が現れにくく見た目も美しいステンレス。しかし時間の経過とともに光沢が徐々に失われ、ぼんやりとしたくすみが現れてしまいます。こうしたくすみはなぜ現れてしまうのでしょうか?
ステンレスがくすんでしまう主な原因は、表面に付着した汚れです。ステンレス製のシンクの場合、水垢や油汚れ、洗い物でつけてしまった細かい傷が挙げられます。
くすみの原因である各種汚れや傷を取り除くことで、くすみの改善は可能です。その方法について詳しく解説いたします。
水垢は水道水に含まれるカルシウム成分が原因。アルカリ性の性質を持つため、酸性の洗剤を使用すれば効果的です。酸性のクエン酸を使うほか、pHが酸性の洗浄剤を使用すると良いでしょう。
油汚れは水垢とは逆でpHが酸性。そのため、アルカリ性の洗剤を使用すると効果的。重曹のほか、pHがアルカリ性の洗浄剤を使用しましょう。
ステンレス表面についた傷は、クレンザーを使って研磨するのが効果的です。ただし、種類によっては研磨力が高すぎ、余計に傷がついて光沢が失われることも。小さな傷の場合、研磨材の割合が20~50%のものを選ぶと良いでしょう。液体タイプやクリームタイプであれば、研磨剤の割合が低いため、傷がついてしまうことを防げます。
DIYは安く手軽にできることが魅力ですが、一方で失敗してしまうリスクも。ここでは、DIYでステンレスのくすみ対策をして失敗してしまったケースをご説明します。
クレンザーでくすみを取り除く場合、注意したいのが磨く方向です。ステンレスのシンクの中には、細かい筋がたくさんついたタイプもあります。これは「ヘアライン」と呼ばれるステンレスの模様で、ヘアラインの方向に沿わずに磨いてしまうと、ヘアラインの模様が崩れて見た目が悪くなることも。
ヘアライン模様のあるシンクの場合、ヘアラインの方向に沿って磨きましょう。
水垢がなかなか落とせないからといって、たわしを使って力任せに落とすのは問題です。特に注意したいのが「ナイロンたわし」。ナイロンたわしとは、よくスポンジの片方についている、緑色のゴワゴワとした手触りのたわしのこと。高い研磨力があるため、力任せにこするとステンレスの表面に傷をつけてしまい、くすみや錆が現れやすくなるのです。
水垢を落とす場合は、弱酸性性の洗剤を使用しましょう。
食器やまな板を洗う時に効果的な塩素系漂白剤。いろんな汚れを落としてくれるので「水垢も落とせるかも…」と考える人も多いのですが、使用はおすすめできません。
十分薄めればある程度の効果はありますが、原液を使用した場合錆の原因になることも。なるべく金属への影響が少ない弱酸性の洗剤を使いましょう。
ステンレスのシンクのくすみは、個人でもDIYによって十分にキレイにできます。しかし、間違った対応をしてしまい、余計にくすみが悪化した、または錆が発生してしまった、という場合は対応が難しくなってしまいます。
どうしても対処が難しい場合、プロの研磨会社に依頼するのも一つの手です。企業からの依頼だけでなく、個人の依頼に対応してくれる研磨会社もたくさん存在します。プロの技により、くすみや錆がひどい状態のシンクも、まるで新品同様のピカピカな状態に仕上げてくれるでしょう。
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