本ページでは、研磨の図面記号の目的や種類について解説します。
研磨にはいくつかの手法があり、どの研磨手法で指定されているのかを表す「図面記号」が図面に記載されているケースがあります。
研磨の表面の粗さの種類は大きく3つ。中心平均的粗さ、最大高さ、十点平均粗さがあり、国内外問わず中心平均的粗さが多く用いられています。 粗さ記号で加工方法や中心的平均粗さの値、除去加工、筋目方向の記号、表面うねり、表明性状測定条件などを把握可能です。
研磨の図面記号は11種類あります。
研磨の図面記号は「SP」。PolishingのPに由来しています。
バフ研磨の図面記号は「SPBF」。BuffingのBFに由来しています。 バフ研磨とはステンレスの表面を仕上げる研磨方法の1つです。バフとはステンレスを研磨する際に用いる道具の名称で、これをステンレスの表面に回転させながら当てることでステンレスの表面を研磨します。
ベルト研磨の図面記号は「SPBL」。Belt Polishingに由来しています。 ベルト研磨は、研磨剤が付着したベルトを用いて研磨を行う加工方法です。エンドレスベルトと呼ばれる研磨ベルトをベルト研磨機にセットし、高速回転させたベルトにワークを当てて表面を研磨します。
バレル研磨の図面記号は「SPBR」。Barrel Finishingに由来しています。 バレル研磨とは、ワークとメディア、コンパウンドとの相対摩擦により加工する研磨方法です。流動式や遠心式、振動式、回転式などの種類があります。
化学研磨の図面記号は「SPC」。Chemical Polishingに由来しています。 化学研磨は、化学薬品の力で金属表面を磨いて光沢を付与する研磨方法です。機械研磨や物理研磨で届かない領域を処理できたり仕上がりムラを抑えたりすることが出来ます。
電解研磨の図面記号は「SPE」。Electrolytic Polishingに由来しています。 電解研磨とは製品をプラス側にして電解液を介して直流電流を流し、金属表面を溶解させて研磨する方法です。金属表面の汚れを除去し、汚れをつきにくくします。
液体ホーニングの図面記号は「SPLH」。Liquid Honingに由来しています。 液体ホーニングは酸化アルミニウムや炭化ケイ素などの研磨剤を混入した水溶液を、圧縮空気を用いて加工面に高圧噴射し、その運動エネルギーで加工する研磨方法です。滑らかな加工面が得られます。
タンブリングの図面記号は「SPT」。Tumblingに由来しています。 タンブリングとは、樽状の容器内に工作物とコンパウンドを入れて容器を回転させ、相互の共ずり作用によって加工する研磨方法です。バリ取りやスケール除去、油取りが目的となっています。
ラッピングの図面記号は「GL」。Lappingに由来しています。 ラッピング加工は研磨剤と工作物をすり合わせながら研磨する方法です。高度な加工面、寸法が得られ、無加工な鈍い反射面となります。
ホーニングの図面記号は「GH」。Honingに由来しています。 ホーニング加工とは、中空構造物の内面に砥石を押し付け、回転させながら往復して磨き上げる研磨方法です。加工公差が小さく、高精度な加工が可能となります。
超仕上げの図面記号は「GSP」。Super Finishingに由来しています。 超仕上げは低速で回転する加工ワークに砥石を押し付け、ワークの表面を精密に研磨する方法です。加工面が奇麗で、耐摩耗性に優れています。
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