本ページでは研磨における旋盤の役割と選び方について解説します。研磨会社を検討する際の基礎知識としてお役立てください。
旋盤とは、金属加工を行う機器です。特に円形の加工に適しています。加工物を土台に取り付け、回転させながら刃に当てることで削っていく仕組みです。切削機器の中でも活躍する機会が多く、広く使用されています。
旋盤での加工対象となる素材には鉄、アルミ、ステンレスなどが挙げられます。このほか、真鍮(黄銅)、鋳物、樹脂も加工できます。身近にある製品や部品のほとんどが、旋盤により加工されています。円柱や円錐の加工を行うことが多いですが、穴あけやネジの加工もできます。自動車、航空、建築機械、医療機器、家電住宅、エネルギー、半導体など幅広い業界で使用されています。
旋盤で使用する刃物や動かし方次第で多くの加工に対応しています。加工法の例として「外径・内径・端面加工」「溝・穴加工」「ネジ加工」「テーパー加工」「円弧加工」などが挙げられます。これだけ多くの加工法を組み合わせ、どのような順番で加工していくかを計画することを「工程設計」といい、この設計のもとに、1つの製品や部品を作り上げていきます。
旋盤には大きく4つの部位があり「ベッド」「主軸台」「往復台」「心押し台」から構成されます。NC旋盤といわれる機械には、さらに「NC装置」「操作画面」もついています。
「ベッド」は旋盤の基礎となる土台部分のパーツで、振動や熱に強い作りになっています。ベッドが不安定だと、ベッドの上に位置する台が作業中に変形してしまうため、加工にブレが生じ、出来上がりの精度が落ちてしまいます。旋盤の中でも特に重要な部位であることから、素材や構造には最先端の技術力が求められます。
主軸台は加工物を取り付ける部位です。回転しながら切削するパーツのため、ベッドと同様、加工物の仕上がり精度に影響を与える重要な部位です。
往復台は切削工具を取り付ける部位です。主軸台に取り付けた加工物に対してスライドしながら加工を行います。
心押し台は加工物をサポートする部位です。主軸台と対向に位置します。先端部を変更し、ドリル加工などで使用します。
旋盤には、多くの使用用途があります。特定の加工品のみの製造だけを考えるのではなく、多くの汎用性があることを踏まえ「主な使用用途」のほか「設置スペース」をもとに選定することをおすすめします。また、旋盤そのものの性能を見極めるうえで「心間」と「ベッド上振り」の2項目については必ず確認しておきましょう。
「心間」とは旋盤で取り扱える加工物の最大長を表します。実際には旋盤に切削工具を取り付ける兼ね合いから、扱える最大長は心間表記より短くなります。このため、旋盤で取り扱える加工物の長さを見積もる場合は「心間×60~70%」を目安にしましょう。
「ベッド上振り」とは主軸台に取り付けられる加工物の最大径を表します。加工品が回転しながら上下することを考えると、心間同様、ベッド上振りと同サイズの加工品を取り扱うことは難しくなります。ベッド上振りの表記もあくまで最大径であることを念頭に、余裕を持ったサイズ感を検討しましょう。
直径180πより小さい部品の加工に対応しています。導入コストが低く、部屋にも置けるサイズ感に強みがあります。一通りの機能は兼ね備えていますが、小型な旋盤なため、大きい加工物の際には工夫が必要です。
直径210πより小さい部品の加工に対応しています。導入コストは平均的。比較的コンパクトであることから設置場所を選べる強みがあります。部屋への設置も可能ですが、窮屈感を感じるでしょう。350シリーズより操作性が高く、350シリーズでは扱いが難しい加工品に適しています。
直径250πより小さい部品の加工に対応しています。導入コストは高めですが、コストパフォーマンスに優れています。サイズが大きいため部屋置きはできません。一通りの操作性を兼ね備え、堅牢性・安定性に優れていることから、さまざまな加工が容易に行えます。
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