研磨加工にもIoTが導入されています。ここでは、IoTの概要とIoTを用いた研磨加工の事例を紹介します。
研磨会社の生産性に大きな影響を与える仕組みとしてIoTがあげられます。IoTとはどのような仕組みなのでしょうか。
IoTは「Internet of Things」の頭文字をとった略語です。日本語では「モノのインターネット」と訳されます。具体的には、これまでインターネットに接続されていなかったモノが、インターネットに接続されて通信を行う仕組みを指します。
代表的な例として、インターネットでサーバーやクラウドサービスとつながった自動車、家電製品、工場内の機器などがあげられます。
IoTの目的は、未活用だったデータを活用して製品の付加価値を高めることや事業の生産性を高めることといえるでしょう。ただし、IoTを活用する目的はケースで大きく異なります。適切に活用すれば、さまざまなことを実現できるからです。
例えば、離れた場所から工場内の機器を操作する、離れた場所から工場内の機器の稼働状況を管理する、工場内の機器間でデータを送受信して作業効率を高めるなどが考えられます。実際にIoTを活用して、生産性を高めている企業は少なくありません。
IoTの導入は、研磨加工においても進んでいます。ここでは、研磨加工に導入した事例を紹介します。
職人の勘を大切にする一方で、ロボットを導入して効率化も図っている研磨会社です。IoTの導入も積極的に進めています。代表的な取り組みといえるのが、工場内の機械(約170台)を一元管理して稼働状況を可視化していることです。データを独自システムで集計・分析することにより設備の能力を最大限発揮できる工場運営を目指しています。
工場周辺と工場内に、約40台の安全カメラを設置している点も見逃せません。24時間記録したデータを活用することで、不具合が生じたときに早いタイミングで原因を究明することや効果的な対策を講じることが可能になっています。
エンジニアリングサービスを強みとする「技術系専門商社」です。IoTを活用して、スピンドルベアリングの振動・温度をリアルタイムでモニタリングできるシステムを開発しています。ポイントは、小型センサーを測定箇所に取り付けていることです。
したがって、異常を検知することや異常を記録すること、測定データをインターネット経由でサーバーへ送信することなどが可能です。蓄積したデータをもとに、適正なメンテナンスサイクルを提案することなどもできます。
精油圧部品の製造を行っている研削メーカーです。工場内設備のIoT化を積極的に進めています。具体的には、工場内に設置したすべての研削盤をインターネットでつなぐことにより稼働状況をリアルタイムで把握できるようにしていますf。
目的は、砥石の摩耗状況を可視化することです。データを蓄積して、メンテナンスのタイミングを事前に把握できる状態を目指しています。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。