研磨加工で重要になるのが品質です。ここでは研磨加工の品質を決める条件と品質管理の方法を紹介しています。
研磨加工の品質を決める条件として、いくつかの切り口が考えられます。主な条件は次の通りです。
マイクロメートル単位の精度を求められる研磨加工では、目的に応じた加工設備とともに各種測定機器が欠かせません。加工物を正確に測定できないと細かな調整を行えないからです。したがって、品質を高めるため一定の設備投資を求められます。
ただし、単に測定機器を導入すればよいわけではありません。技術者が育っていないと、測定機器を正しく扱えないからです。一定の設備を導入していることと技術者が育っていることが重要といえます。
温度が一定に保たれている検査室を恒温検査室といいます。恒温検査室を備えていると、精度の高い研磨加工を実現しやすくなるでしょう。温度による材質の変化を防いで検査の精度を高められるからです。
また、極端な温度変化が起きると、測定器も正確に動作しにくくなります。熱い夏と寒い冬がある日本では注意したいポイントです。研磨加工では寸法精度や形状精度を求められるケースが多いため、恒温検査室の有無は無視できない条件としてあげられます。
研磨加工の品質管理はどのように行えばよいのでしょうか。ここからは品質管理の方法を紹介します。
品質を安定させる取り組みとしてあげられるのが作業標準書の作成です。作業標準書は、誰が担当しても同じ結果を出せるように最善と考えられる作業の手順などをまとめたものです。受注時に諸条件をまとめた個別の作業標準書を作成すれば、研磨加工の品質や効率を安定させやすくなります。
また、作業標準書を保管しておけば、トラブルが起きたときに作業記録を調べることや過去の作業記録をもとに業務を見直すことなども可能になります。
加工設備の定期的なメンテナンスも欠かせません。定期的なメンテナンスを怠っていると、優れた加工設備を導入していても品質を安定させることは難しくなります。具体的には、砥石をはじめとする部品の交換、セパレーターの清掃などが考えられるでしょう。
また、加工設備の稼働状況に目を光らせて、わずかな異常を見逃さないことも重要です。同様に、測定機器の定期的なメンテナンスも欠かせません。作業前の点検と定期点検は不可欠といえるでしょう。
もちろん、条件に合わせた適切な研磨方法を選択することも欠かせません。
例えば、ロール研磨は常温で行うことが一般的ですが、この方法が最善とは言い切れません。高温にさらされる環境で使用することもあるからです。常温下で研磨した場合、得られる精度も常温下での精度となります。したがって、高温にさらされる環境では品質が低下してしまいます。
このようなケースでは、使用環境と同じ条件で研磨する熱間研磨が有効と考えられます。適切な研磨方法を選択することも品質を管理するポイントです。
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