2015年の国連サミットで採決された「SDGs」について、多くの業界がその取り組みにチャレンジしています。ここではSDGsの概略と、研磨加工業界で取り組めるSDGsの事例について紹介します。
「SDGs」とは、2015年9月の国連サミットで採決された国連加盟国共通で取り組むべき開発目標のことをいいます。「Sustainable Development Goals」の略であり「持続可能な開発目標」という意味があります。
この目標は大きく17の分野に分かれ、分野ごとに複数の目標が設定されており、そのすべての目標を足し合わせると169の項目があります。これらの169全ての目標を2016年から2030年の15年間で達成することが、国連加盟国すべての課題となっています。日本国内でも多くの企業がSDGsに賛同し、さまざまな取り組みを行っています。
石川工具研磨製作所では、「再研磨」を主力とすることでリサイクルの面から環境問題に取り組んできました。近年では工具の「再製作」を行ったり、素材そのものを回収しリサイクル業者に引き取ってもらったりするなど、無駄のない資源の活用により積極的に寄与しています。このほか、事業以外でも行える取り組みについても従業員と話し合い、従業員一人一人が問題意識を持つことでSDGsへの達成に取り組んでいます。
東商技研工業では、回収した機械部品や製品をバレル研磨により処理しています。多くの研磨技術がある中、バレル研磨を採用することで、大量のワークを均一に処理できる特徴があります。
切削、プレスの加工には「バリ」が生じます。バリには指先の出血などのケガの危険があります。バレル研磨を行うことでバリを除去し、多くの人のケガを未然に防ぎ、安全に製品に触れてもらえるよう努めています。
社内で働くすべての従業員、一人ひとりの能力が発揮できる社員教育を導入しています。また、一人ひとりのスキルを把握し、最大限に発揮できるスキルマップを活用しています。ほかには、バレル研磨の技術内容をお客さまや地域の皆さまなどにわかりやすく理解していただけるよう「マンガでわかる東商技研工業」を掲載しています。
東商技研工業における従業員の男女比率はほぼ1:1。重量物の持ち運びを伴う仕事は男性向きではありますが、品質検査や梱包業務などは女性ならではの細やかさや感性が活かされる業務も数多くあります。東商技研工業では女性従業員も気持ちよく働けるよう、県の「ハッピー・パートナー企業」の認定を受けています。
バレル研磨で使用した排水は、化学ろ過、生物ろ過、浄化層を経て、生活排水レベルまで浄化してから排水しています。環境への負荷を最小限に抑えるべく取り組みを行っています。
太陽光発電パネルを導入し、工場全体で使用する電力のうち、およそ2割を蓄電しています。このほか、社内全体に「スマートクロック」を導入し、社内全体の電気使用量が一目でわかる意識づけを行っています。
バレル研磨は他の研磨技法と比較して、大きなワークかつ大量に表面処理を行う技法として秀でています。効率的な技法を採用することで、お客様の品質コスト納期に貢献することを目標としています。
一般的にバレル研磨は精度の高い研磨ではないという認識もありますが、東商技研工業ではバレル研磨の専業として100分の1mm単位でのR付け、面粗度Ra0.02~の精度での研磨を可能としています。高精度、高品質を求める精密部品や医療分野の製品研磨も行っています。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。