研磨工程において、2つの方式「湿式」と「乾式」があるのをご存知でしょうか。こちらで、それぞれの方式についてについて、違いがわかりやすくなるように特徴を説明しています。メリット・デメリットもあわせてみていきましょう。
湿式研磨は、水や水溶性研磨油をかけておこなう研磨です。とはいえ、固形研磨剤を付けるケースでは、ミストを噴霧するときに実際には水滴が垂れているだけの状態などもあります。そのため、湿式研磨と乾式研磨をはっきりと区別するのが難しい場合もあります。
湿式研磨で使用する湿式用サンドペーパーは、ポリエステル製か合繊製です。コットンは水を吸ってしまうため、適していません。また、合繊製の場合などは、耐水性をアップさせるのに役立つ強めのコーティング加工が施されている、便利なタイプのものもあります。
湿式研磨の場合は、乾式研磨とは異なり、研削抵抗による熱を冷却することができる点が、大きなメリットとして挙げられます。ですから、焼けの発生をおさえることが可能です。さらに、ダイヤモンド刃などとの密着度が、水を使用することによってアップするため作業効率も向上しやすく、その結果として、工期が短くなる傾向があります。
汚水が発生することが、この方式の主なデメリットです。汚水は、処理するのにコストがかかるためやっかいです。ただ、今ではクリーム工法と呼ばれる汚水処理方法を採用している研磨会社などもあるため、ある程度解消されつつある問題点ではあります。
乾式研磨は名称どおり、水をかけずに研磨をおこなう方法です。また、この研磨方法においては、研磨熱と目詰まりの問題が発生してしまうため、トップコート品で対処します。トップコートはフッ化物のタイプが多いですが、ちかごろでは、ステアリン酸トップコート品も入手できるようになってきています。
ただ、アルミのように目詰まり問題が深刻な素材の場合は、砥粒の数を減らし、隙間をつくって目詰まりが起こりにくくなるようにする必要があります。
作業のしやすさや作業の際にかかる手間が少ないことが、この方式におけるメリットだといえます。湿式のように大量の液体が飛散することがないので、特別な設備は必要ありません。砥石とワークさえあれば、手軽に作業をはじめられます。加工後の処理も手間が少なめです。水を使わないため、乾燥させたりする必要がないからです。
手軽に作業をすることができるというメリットを得られる反面、研磨抵抗による高温の影響は無視できないデメリットだといえます。高温によりワーク表面に焼けが生じやすくなります。また、加工中に粉じんが多量に出るので、これに対処するための集塵機などの設備が必要になります。また、作業中には、粉用のメガネやマスクを装着しなくてはならないという点もまた別のデメリットとして挙げられるでしょう。
安心して任せられる
研磨会社3選
三陽工業
対応領域
計8
ISO取得
主な取引先
川崎重工業/三菱重工業/ダイハツ工業/日産自動車/ブリヂストン/三菱日立パワーシステムズ
大堀研磨工業所
対応領域
計5
ISO取得
主な取引先
オークマ/ヤマザキマザック/コマツNTC/川崎重工業/三菱重工業
東京ステンレス研磨興業
※ISO9001認定を取得、公式サイト上に研磨事例が掲載されている会社の中から、対応領域の種類が多い3社を選定(2021年6月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php)