アルマイト処理は陽極酸化処理とも呼ばれる、アルミニウムを陽極で処理を施し人工的にアルミの酸化物を被せる処理のことです。
アルミニウムは空気に触れると酸化被膜に覆われるため、サビにくい性質を持ちます。ただ酸化被膜は非常に薄く、置かれている環境次第で剥がれてしまうことも。その場合化学反応を引き起こし、腐食することがあります。アルマイト処理はその腐食を防ぐために必要なものです。この処理のおかげで、サビを起こしにくい商品を製作することが可能となります。
また、アルマイトは非常に微細な孔が空いているため、それを有効に活用することでアルミニウムを塗装せずに染色した「カラーアルマイト」ができます。しかし一方でアルマイト処理を行うと研磨が難しくなるといった特徴もあるので、製品の性質や今後の工程を考慮した上で、処理を行うかどうか検討しましょう。
アルマイト処理のメリットはサビにくいという点のほか、着色できる、電気が流れにくいなどのメリットをもたらします。しかし決してメリットばかりではありません。
まず第一に、アルマイト被膜は脆いという特徴があります。そのためアルマイト処理の後から加工をすることは難しいでしょう。たとえば処理後に曲げるなどの加工を行うと、アルマイト被膜が剥がれたり割れたりする恐れがあります。また耐熱性も低いので、100度以上の高温に当てるとアルマイト被膜が剥がれてしまいます。
アルマイト被膜後にバフ研磨を行うと摩擦や摩擦熱を生じさせるため、かなり高度な技術が必要になってきます。
カラーアルマイトとは、アルマイト被膜にできた穴の処理を施す前に染料を付着させ、着色したものです。通常の染料のように上から塗装する方法ではなく、表面に発生した被膜に着色するためデコボコすることなく着色することができます。
染料の濃度や温度、染色時間、アルマイト被膜の厚さなどによって、吸着する染料の量が異なり、濃さを調整することも可能でしょう。たとえば染料を多く吸着させれば、濃い色の着色をすることができます。
硬質アルマイトとは、その名称の通り通常のアルマイトよりも強度が高いものです。通常のアルマイト処理の被膜よりも厚い層に仕上がっているため、強度や耐久性がアップしています。
具体的な数値で比較すると、通常のアルマイト被膜は10ミクロン程度の厚さですが、硬質アルマイト被膜は50ミクロン程度に仕上がるようです。これらの性質があるため、高温・高摩擦に耐えなければいけない、車のエンジン部品などには硬質アルマイトが用いられていることが多いでしょう。硬質アルマイトの場合は、比較的バフ研磨などが行いやすくなるメリットもあります。
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