真鍮は黄銅とも呼ばれる合金で、銅に亜鉛を加えたものです。特に亜鉛の含有率が20%を超えている金属を真鍮と呼びます。
真鍮は、銅に対して亜鉛をどの程度加えるかによって、ベースとなる素材の色を変えられたり、硬度を調節したりすることが可能です。その特性から、様々な工業用製品や建築資材などに活用されています。また、真鍮では亜鉛含有率が高くなるほど素材硬度が強化されていく反面、素材の脆弱性が増していくので、亜鉛が45%以上になると実用に耐えられなくなることも重要なポイントです。
また真鍮は素地の状態で、アンモニアや塩分が多い場所に放置していると割れてしまう「置き割れ」という現象が発生するのもポイント。そのため、メッキ処理や塗装したり、焼きなましをおこなったりなど適切な加工が不可欠になります。
なお、銅と亜鉛の比率によって素材の名称が異なり、真鍮はさらに以下のような名称で細分化されています。
亜鉛含有率が低めの丹銅は、銅に近い特性を持っており、素材の色も赤みの強いものとなります。耐食性に優れており、工業用品、建築用資材、アクセサリーなど幅広い分野に活用されることが特徴です。
黄銅は硬度を保ちつつ展延性にも優れているので、複雑な形状の加工品や製品に使用することができます。黄銅の身近な例としては日本の5円玉が有名です。また、素材の色は丹銅よりも黄色が強くなり、さらに黄銅へ鉛や鉄、スズなどを加えていくことで、色々な金属特性をもたらすことが可能です。
真鍮は素材として多くの特性や発展性を持っており、様々な目的で活用されています。しかしその反面、空気中の酸素によって素材表面が酸化して黒ずみ(酸化銅)が生じてしまうといったデメリットもあり、真鍮を活用するにはクリアコート加工やメッキ加工といった加工と組み合わせることもポイントです。
その他、真鍮はゴム製品を腐食させるといった素材の相性についても把握した上で、加工方法を検討しなければなりません。
展延性、通電性、熱間鍛造性、抗菌性などに優れた真鍮は、素材特性に応じて色々な用途に使われています。
熱によって加工しやすい真鍮は、アクセサリーや装飾部品など複雑な形状を持った製品に活用されています。装飾性と加工性を同時に追求した製品例として、金管楽器なども挙げられるでしょう。
また、真鍮に鏡面仕上げを施すと、まるで金のような輝きを持つことも知られています。そのため古くから金の代用品として使われてきており、「貧者の金」という別名も。そのため、アクセサリー等で真鍮を研磨する際は鏡面仕上げを施すことがほとんどでしょう。
曲げたり伸ばしたりといった加工がしやすい真鍮は、給水管やパイプなど色々な形状の建築資材として活用されたり、ボルトやネジといった機械部品の材料として加工されたりすることも珍しくありません。なお、真鍮は変色しやすいものの錆びて劣化していくことがない上に、経年変化で味が出るため長年の使用を想定したエクステリアに用いられることも。その他、真鍮には電気を通しやすいという性質があり、工業用製品や機械部品の一部として使用されることもあります。
資材で用いられる場合はその用途によって施される加工もピンキリ。バリ取りレベルの研磨から鏡面研磨まで様々です。
真鍮製品に対応、ISO9001認定を取得している研磨会社の中から対応部品が多い3社を紹介しています。(2021年8月調査時点)
※情報参照元:東商技研工業(https://www.toshogiken.co.jp/quality/)、三愛プラント工業株式会社(http://www.san-ai-plant.co.jp/news/page/3/)
創業以来、バレル研磨一筋にこだわった研磨を行う東商技研工業。
真鍮製品の加工においてもこのバレル研磨を採用しており、バフ研磨にも劣らない精度の高い鏡面加工を実現しています。
バレル研磨とは、研磨石(メディア)と呼ばれる工作物を、コンパウンドと水を一定の割合で混合・充鎮し、回転や振動を与えて研磨する方法です。
バレル研磨は真鍮のほか、鉄やステンレス、チタンや銅などあらゆる金属の鏡面加工を行うことが可能。バレル研磨は一度に大量の加工を行っても精度にばらつきが出にくく、低コストで処理できるのが特徴です。
精密化学研磨において、優秀賞を受賞した実績を持つ三愛プラント工業株式会社。クリーンテック事業では「ISO9001、ISO14001」の認証を取得しており、高い技術と厳密な品質管理が高く評価されています。三愛プラント独自の化学研磨や電解研磨を導入した技術は、さまざまな金属の研磨に対応可能。精密洗浄と組み合わせることで最高のパフォーマンスを実現しています。また、社内には国内でも最大級の洗浄槽を設置しており、多種多様な化学洗浄に対応できる環境が整えられています。
安心して任せられる
研磨会社3選
三陽工業
対応領域
計8
ISO取得
主な取引先
川崎重工業/三菱重工業/ダイハツ工業/日産自動車/ブリヂストン/三菱日立パワーシステムズ
大堀研磨工業所
対応領域
計5
ISO取得
主な取引先
オークマ/ヤマザキマザック/コマツNTC/川崎重工業/三菱重工業
東京ステンレス研磨興業
※ISO9001認定を取得、公式サイト上に研磨事例が掲載されている会社の中から、対応領域の種類が多い3社を選定(2021年6月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php)