ここでは処理制度が高く操作性に富む、ラップ研磨の特徴について詳しく解説しています。
ラップ研磨とは、工作物の最終工程などで用いられる表面加工処理技術の一種です。ウェハをはじめとする工作物の表面を磨くための処理技術のため、ラッピング加工、鏡面研磨とも呼ばれます。加工方法は、ラップ盤と呼ばれる専用装置を使い、液体状の研磨材と対象物のワークを挟み込んだ上で、平面を研磨していきます。
使用するラップ剤により湿式と乾式に分類されますが、精度においては湿式が勝ります。また、砥粒による切り込みの深さを調整しやすいのが特徴で、一般の砥石による加工より高精度です。加工対象の仕上げ処理でラップ研磨が多用されるのはこのためです。
すなわち、研磨時の圧力を調整することで砥粒の切り込みを極小にできるからです。さらにラップ研磨には製品の長寿命化と溶着防止効果があるため、シリコンウェハや光学部品、精密部品などの分野でも用いられており、業界によっては研磨といえばラップ研磨と言われるほどポピュラーな処理方法です。
ラップ研磨のメリットは、操作性が良いうえに処理精度が高く、調整力や柔軟性に富んでいることです。ラップ液を介して処理するため、焼けの心配がなく、高精度な厚み、平滑な表面を得ることができます。
加工能率の低いラップ研磨が仕上げ加工に用いられるのは、まさしくこのためです。
さらに切削、研削で加工面を研磨すれば製品の長寿命化を実現することができ、副次的に溶着防止の効果も得られるなど、技術的なメリットは枚挙にいとまがありません。
ラップ研磨のデメリットは僅少ですが、加工速度と能率の低さは難点といえるでしょう。ラップ研磨では、極小の砥粒を使い加工面を少しずつ、しかも均等に削っていく処理になるため、高精度な反面、仕上げに時間がかかってしまいます。
また湿式ラッピングの場合、加工量の大きさと熱の発生が小さいことはメリットですが、一方で、歪なラップ痕が加工面に残ることと、無光沢仕上げになることはデメリットです。
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