自転車の研磨の前に、用意しておきたいのがメンテナンス用スタンド。自転車を立たせた状態で研磨・クリーニングができるので、作業が格段に楽になるでしょう。
また、研磨作業前には必ず自転車の清掃を行いましょう。たとえ室内に保管している自転車でも、表面には細かいホコリが付着しています。ホコリは研磨をする際に余計な傷がついてしまう原因となるため、油汚れと一緒に充分に取り除きましょう。清掃では、薄めた中性洗剤を使用するか、自転車用のクリーナーを使用すると効果的。清掃後、自転車が乾燥したらいよいよ研磨作業に入ります。
※個人での研磨は自己責任のもと行ってください。不安な場合は研磨専門の業者に依頼することをおすすめします。
自転車のフレームには塗装が施されているので、研磨時はこの塗装を取り除かないよう注意が必要です。
一般的な金属研磨剤は、研磨すると塗装も取り除いてしまいます。フレーム研磨をする場合は、フレーム用の研磨剤を使用しましょう。
フレーム用研磨材を番手ごとに複数用意し、番手の数字が大きい順に使用します。数字が大きい研磨剤ほど研磨力が高いのですが、その分使用すると余計に細かい傷がついてしまうリスクも。まず研磨力の低い研磨剤を順次使用していき、傷やサビが目立たなくなるまで磨いていきます。
目立たなくなれば、徐々に研磨力の低い研磨剤で磨き、研磨材を洗剤やクリーナーで洗い流します。水分をウエスできれいに拭き取った後、自転車のフレーム用ワックスで仕上げます。研磨後は元々フレームを保護していたワックスまで取り除かれます。ツヤがなくなるだけでなく、サビや傷もつきやすくなるので、研磨後はワックスを塗布する必要があるのです。
自転車は軽量化のためアルミパーツが多く使用されますが、近年の自転車にはアルミパーツの耐久性・耐摩耗性を高める目的で、アルマイト加工が施されています。研磨を行うには、まずこのアルマイトを取り除く作業を行いましょう。
アルマイトを除去するには、強力な塩素と酸の薬剤を使用すると効果的。市販されているもので代用するなら、塩素系の薬剤にパイプユニッシュ、酸系の薬剤にサンポールを使用するとよいでしょう。
クランクを清掃して乾かしたあと、パイプユニッシュに1時間ほど漬け込みます。十分に水洗いして余計な水分をふき取ったあと、次はサンポールに漬け込みましょう。引き上げた後は水洗いと水の拭き取りを行います。
塩素と酸を混ぜると有害ガスが発生するので、パイプユニッシュからサンポールへ入れるときは、必ずすみずみまで薬剤を洗い落としておくことが肝心です。また、念のため作業をする場所の換気も忘れず行ってください。
アルマイト除去後は耐水ペーパーで磨いていきます。#400・#600・#1000の順番で磨き、最後にピカールを始めとした金属用研磨剤を使用すれば、傷を削りツヤのある美しい状態に仕上げられます。
リムの研磨は、クランクの研磨にも使用したピカールのほか、ラバー砥石を使用するのがおすすめです。
ラバー砥石は3種類販売されていますが、リムの研磨に最も効果的なのはK-141。水に濡らしながら研磨していけば、リムについた傷を徐々にカバーすることができます。
より綺麗に仕上げたい場合はK-142のラバー砥石で仕上げるとよいでしょう。K-142は141よりも粒度が細かく、仕上げに使用すると表面がより美しくなります。
リムは自転車のブレーキが接触する場所ですので、汚れが付着するとブレーキの制動性にも影響が及ぼされます。研磨後はパーツクリーナーでの脱脂や、自転車用のクリーニング剤での洗浄を行い、表面のチリや汚れを取り除きましょう。
コンパウンドとは、車や自転車などの表面についたキズを目立たなくさせるための研磨剤です。コンパウンドは粉状になった研磨成分と油脂でできた化学物質で構成されており、クレンザーのようなテクスチャーが特徴です。
塗装部分の小さなキズを磨いて目立たなくするものなので、研磨した部分の塗装は薄くなってしまいます。また、コンパウンドは塗装部分に使用するのが望ましく、ゴム製品や樹脂部分に付着すると除去しにくいので注意が必要です。
金属磨き剤は、黒ずんだ金属を綺麗にする研磨剤です。液状タイプやチューブに入ったネリ状タイプなど、豊富な種類の磨き剤が販売されています。耐水ペーパーなどに比べると研磨力はやや弱めですが、初心者でも扱いやすく手軽に研磨できるのが特徴です。アルミやステンレスなどさまざま金属の汚れ落としに効果を発揮します。
消しゴムのような形が特徴の研磨材、ラバー砥石。主に自転車のリム部分をクリーニングするのに使用され、「ホーザン」が販売しているラバー砥石が有名です。K-140・K-141・K-142などいくつかの種類があり、K-140が主に金属板のサビ除去、K-141がアルミ板のバリ取りなどに使用されます。片手で持てるサイズなので、タイヤを外すことなくそのまま研磨することができます。
深い傷やひどいサビの場合、個人での研磨では対応ができない場合もあります。自力での研磨が難しいときは、自転車の研磨に対応できる業者に任せましょう。
ここでは自転車の研磨に対応、ISO9001認定を取得している研磨会社を紹介しています。(2021年8月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)
かつてはオートバイ部品専門の研磨会社だった三陽工業。現在ではそのノウハウを生かし、自動車部品・自転車・食器・ネックレスなど、幅広い金属製品の研磨に対応してくれます。
特に自転車はバイクのパーツと共通する部分も多いため、高いクオリティで対応してくれることが期待できます。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。
引用元:三和産業公式HP https://www.sanwa21.co.jp/
引用元:斉藤光学製作所公式HP https://saito-os.com/
引用元:Mipox公式HP https://product.mipox.co.jp/index.html