機器に使用されるレンズには、ガラスの透明度の高さと、狙った場所へ光を集める高精度の研磨技術が不可欠です。わずかな傷や曲面のズレが、製品の価値を大きく変えてしまいます。
レンズ部品の研磨を依頼する場合は、高い技術をもつ業者に依頼しましょう。
さまざまな製品に利用されるレンズ。以下に使用される機器の例を紹介いたします。
使用される機器によって、使用されるレンズの種類も異なります。次にレンズの種類についてご説明します。
凸レンズや凹レンズなど、曲面のカーブを描いているレンズ。
形状によって作用が異なり、凸レンズは光を集め、凹レンズは光を発散する作用を持っています。
主な材料は光学ガラスや光学結晶・樹脂・合成石英など。使用される機器は各種カメラレンズ・携帯電話カメラ・レーザー機器・顕微鏡・加工装置用保護ガラスなどが挙げられます。
球面ではなく、平面でもない曲面でできたレンズのこと。
一見して球面レンズと形状は変わりませんが、表面の形状が楕円形や円筒形などの形状をしているレンズです。球面レンズの問題点である光の収差が起こらないため、製品の小型化・軽量化を図れます。
材料や使用される機器は球面レンズと同じです。しかし、製造する場合は0.1マイクロメートル以内の制度が要求されるので、球面レンズよりも高い技術が必要です。
映像を映す機器の縦横比変換や、ビームウェスト補正を行う場合に用いられるレンズです。
主な素材は光学ガラス・光学結晶・合成石英が挙げられます。
光ファイバーのような小型の機器に用いられるレンズです。小型であるため、通常のレンズよりも製造・研磨に高い技術を要求されます。
主な素材は光学ガラス全般・光学結晶・合成石英・樹脂など。使用される機器は光ファイバーを始めとした光学機器・レーザー光学部品・顕微鏡・内視鏡が挙げられます。
CG機と呼ばれる研磨機器にレンズを取り付け、後の研磨作業を行うために曲面に研削する作業です。いわゆる「曲率」と呼ばれる、レンズ凹凸のカーブを作る最初の工程でもあります。
使用する工具は電着砥石やカップ型のダイヤモンドホイールなど。先端部が丸みを帯びていて、カップの縁に砥石がついているのが特徴です。この工具を使用することで、レンズにさまざまな曲率を与えられます。
粗研削での面精度と中心肉厚を仕上げ、曲率を細かく調整する工程です。
ダイヤモンドペレット皿と呼ばれる、お椀のような形状をした工具を用いて研磨を行います。ペレットの表面につけられた曲率は1つ1つ微妙に異なるため、凸レンズや凹レンズの形状に合わせて研磨ができます。
業者によっては、研磨皿にセリウムを始めとした研磨材を用い、ウレタンやスウェードなどの研磨パッドで作業を行う場合もあります。
より精度の高い研磨を行う、研磨作業における最終工程です。
粒度の細かい研磨砂や柔らかい研磨パッドを使用し、設計に従った曲面半径に仕上げます。また、この工程ではレンズ表面の透明度を高める目的も含まれています。
研磨をするレンズによって、ピッチ研磨・自動研磨といった工程も行われることも。作業後はニュートンリングの形状を検査し、設計通りの曲率が現れているか調べます。
研磨後に残っているレンズ表面の汚れやチリを、専用の機器で洗い流す工程です。
主に超音波洗浄機が使用され、表面の油分まで取り除けます。
芯取りとは、レンズを使用する製品の大きさに合わせるため、外周を削る作業のこと。
ベルクランプと呼ばれるレンズホルダーに固定し、レンズ外周を露出させた状態にした後、グラインダーによって外周を研磨します。
当サイトに掲載している研磨会社122社の中から、公式サイト上でレンズ研磨への対応を明記している会社を紹介しています。(2021年8月調査時点)
1958年に創業した羽田研磨は、精密部品の加工や研磨分野での実績が豊富な研磨会社。大手企業との取引実績も多数あり、ベアリングなど細かい部分の研磨技術で高い評価を受けています。
もちろん、カメラの部品に必要なレンズ研磨にも対応可能。メッキの処理技術にも長けており、耐食性を高めた高品質の表面処理を実現しています。
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