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金属の錆対策

金属に錆はつきものです。水や空気に触れたところからさびていくのが一般的。錆にくい金属もありますが、環境が錆を発生させる条件下であれば、じわじわと錆びていってしまいます。内部まで錆が達すると脆くなって破損してしまうでしょう。金属を取り扱う場合は、錆に対して適切な対処が求められます。

ここでは、錆が起きる原因や錆やすい金属と錆びにくい金属、そして錆の種類について確認していきましょう。錆がついたときの対処方法や錆の予防方法も紹介します。

錆が起きる原因

鉄をはじめとする金属はもともと鉱石として存在しており、鉱石は酸素と結合した酸化物として安定しているのが自然な状態です。鉱石は精錬されると鋼(はがね)になりますが、精製された純金属は不安定な状態になるため、再び安定した状態に戻ろうと酸素との結合を起こします。

この酸素との再結合による酸化が、金属における錆の原因です。

大気中の酸素はもちろん酸素を含む水や、塩化物・硫化物などとの接触によっても錆が発生します。

錆びやすい金属・錆びにくい金属

錆の原因となる酸化は、金属がイオン化する際に引き起こされますが、イオン化はすべての金属に一律に起こるわけではありません。それぞれの金属によりイオン化のしやすさは異なるため、イオン化しやすい金属=錆びやすい金属といえます。

イオン化のしやすさはイオン化傾向と呼ばれ、地球上でもっともイオン化傾向が低い金属は金です。そのため数千年前の遺物であっても、素材が純金であれば錆びずに輝きを保っていることも珍しくありません。

錆の種類

赤錆

鉄や銅に発生する錆で、一般の方が「錆」と聞いてイメージする赤褐色の錆を指します。鉄では水酸化第二鉄や酸化第二鉄などが成分となり、そのまま放置すれば浸食が進行して金属をどんどん劣化させる厄介な存在です。

反対に銅に発生した場合は、表面を保護して内部の銅を守る働きをもちます。主成分の酸化第一銅自体が腐食への耐性を備えているため、錆が表面を覆うことで保護膜となり、酸素や水・塩化物などから銅本体への浸食を遅らせる良性の錆です。

白錆

アルミニウムや亜鉛にみられる錆ですが、こちらも表面を覆うことで内部を守る働きをもちます。良性の錆ですが見た目が悪くなるため、通常は保護膜として意図的に錆を発生させることはありません。

青錆

銅の表面に発生する錆で、一般的に緑青(ろくしょう)と呼ばれるものです。銅表面に発生した酸化銅が水や酸素などと結合して、酸化銅の上に形成されます。見た目が美しい緑色になるため、銅像を製作する時点で緑青の発生を想定するケースも少なくありません。

また腐食への耐性をもつため、あらかじめ緑青の促進剤を塗布するケースもあります。

黒錆

マグネカイト(四酸化三鉄)を主成分とした錆で表面を覆い、地金を酸化から守る目的で意図的に発生させる錆です。他の錆と異なり、鉄に対して高熱や薬剤による加工を施さない限り発生しません。

フェルマイト処理や黒染めなどと呼ばれる加工で、鉄鍋などに施されるのが一般的ですが、ナイフなどの外観に重厚な印象を与える目的で加工されるケースも増えているようです。

ちなみに銀製品の表面に発生する黒ずみは、表面的な化学反応により発生した酸化銀で腐食とは異なります。腐食生成物の錆ではないため、銀製品の内部まで浸食して破壊してしまう心配はありません。

全面腐食

均一腐食とも呼ばれ、文字通り金属全体に錆が発生する状態を指します。炭素鋼など腐食への耐性が低い金属に発生しやすく、腐食の進行を確認しやすいのが特徴です。

部分腐食

腐食部分と非腐食部分にはっきり分かれており、ステンレスなど腐食しにくい金属で多く発生するのが特徴です。腐食箇所から半球状に腐食が進む「孔食」や、部材と部材の間に発生する「すき間腐食」などがこれにあたります。

また溶接加工を行った際の熱による不動態皮膜の機能低下や、イオン化傾向が高い金属との接触によるイオンの変調なども原因の一つです。

錆が発生したら

表面的な錆であれば市販の錆取り剤などで落とせますが、内部にまで浸食した錆はステンレスたわしなどを使用してこそげ落とす必要があります。

ただし表面に不動態皮膜が生成される金属(ステンレスなど)については、研磨による傷が耐食性の低下につながる可能性がありますので注意が必要です。

またクエン酸を含ませた布や温めた酢酸を用いて、錆を取り除く方法もあります。

錆を防ぐには

金属表面に汚れの付着やホコリの堆積があると、錆が発生する要因になりますので、まずは表面の汚れを除去します。この作業は錆びやすい炭素鋼などだけでなく、錆びにくいとされるステンレス鋼などにも必要です。

ステンレス鋼は、クロムやニッケルを鉄に添加し、酸化により生成された不働態被膜で表面を覆って地金を錆から守っています。

酸化には酸素の供給が不可欠ですが、汚れやホコリは酸素の供給を滞らせて不働態被膜の再生機能を低下させる要因ともなりますので、しっかりと汚れを落としましょう。

その後に防錆油などを塗布して、酸素や水に触れない状態にすれば錆の予防も可能です。しかし防錆油などの効果は一過性のものですので、根本的な予防にはなりません。クロムや鉛・金でメッキ加工を施せば、金属表面が被膜で覆われて酸素や水などとの接触を避けられるため、錆の防止に大きな効果を発揮します。耐食性だけでなく外観も向上する点も、メッキ加工のメリットといえるでしょう。

また電解研磨を施せば、金属正面の不純物を取り除き、汚れにくい状態を作り出すことが可能です。さらに研磨の過程で濃縮クロムによる不働態被膜を生成するため、より強固な防錆が期待できます。

まとめ

錆は、鉱石が精錬され酸素との結合状態が不安定になって起こるものです。酸素や酸素を含む水、塩化物、硫化物などとの接触によって発生します。

錆びにくいのはイオン化しにくい金属。その代表は金です。

錆が発生した場合は、市販の錆取り剤やステンレスたわし、クエン酸を利用して取り除けます。

錆の予防には、表面のホコリや汚れの除去が大切です。また、防錆油を塗布して酸素や水が直接触れないように対策もできます。より根本的に錆を解決するには、クロムや鉛・金でメッキ加工をすると予防効果が高いです。また、電解研磨で不純物を取り除き、汚れにくい状態を維持すれば、効果的な錆予防になります。

金属の取り扱いは、錆との闘いでもあるので、しっかり対処したいです。

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※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php

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