どのような立派な工具であれ、使用していけば切れ味が悪くなるなど劣化していきます。再研磨とは、そんな工具を再び使用できる状態に修復する研磨のことです。
環境への配慮が企業努力として求められている近年、これら再研磨も同じ工具を長く使い続けるということで、企業の社会的責任でもあります。
再研磨の大きなメリットはまずコストカット。それからオーダーメイドの工具など、通常販売をしていない工具の再発注をせずに済むといった点も魅力的です。さらに省資源化、長寿命化など、会社にとって再研磨することはプラスの要素が大きいと考えられます。
再研磨の依頼タイミングは、カケや摩耗が目に見えて確認できるようになったタイミングです。使いつぶして摩耗しきっているコンディションになってしまってからでは、再研磨をするのはあまりよい選択だとはいえません。なぜなら再研磨自体が難しかったり、費用が割高になったりするケースがあるためです。
主な切削工具として、エンドミル・ドリル・チップ・リーマの4つについてピックアップしています。これらの切削工具に再研磨を施す場合の、それぞれの特徴や事前におさえておきたい注意点などをみていきましょう。
エンドミルの再研磨では底刃のカットと再生、外周の切れ刃の再生、そして大きなチッピングがある場合には溝への研磨を行います。ただ、外周切れ刃は再研磨を重ねるごとに工具剛性が下がっていくので注意が必要です。
ドリルの再研磨では正面刃の再生、つまり先端のカットが行われます。注意点としては、再研磨のたびに刃長が短くなっていくことや、径が小さくなっていくことなどが挙げられます。
旋盤で使用する切削工具であるバイト。バイトは柄の部分とワークを削る刃の部分からなる大工道具のノミに似た工具で、バイトの刃部の名称が「チップ」です。バイトチップは、切りくずの色や形状の変化、音や振動などで切削抵抗が増えたように感じた時に再研磨の依頼をすると良いでしょう。
リーマの再研磨では、ハイスリーマの場合はCBN砥石で、超硬リーマの場合はダイヤモンド砥石で行う場合があります。研磨を専門の会社に依頼する場合には、あらかじめ研磨量や補正値、食いつき角度など、さまざまな設定を相談しておくとよいでしょう。
切削工具の種類によって、再研磨を繰り返せる回数や再研磨可能な範囲などが異なります。そのため、研磨会社に再研磨を依頼する場合には、あらかじめ問い合わせてみる必要があるでしょう。ここでは、エンドミルとドリルを例にして解説していきます。
エンドミルを再研磨する際は、外周刃の再研磨は一般的には行われません。外周刃にカケがある場合はカットして底刃を刃付けします。そのため再研磨をするたびに刃長は短くなっていくのです。つまりエンドミルの再研磨が可能な回数=外周刃の長さということです。
ドリルの再研磨は2つの条件を満たしている場合に可能です。1つは加工する穴の深さ、2つめは切りくずを排出する溝長(ドリル径の1.5倍が一般的)です。つまりこの2つを足した長さ+a以上の距離=再研磨可能な回数となります。
工具や刃物などの製造を手掛けている会社です。切削工具などの工具の再研磨にも対応しており、製造する会社としてのスキルも活かしながら丁寧に再研磨を行ってくれるでしょう。
また短納期と柔軟性を心掛けているのも嬉しいポイント。所有する15台の高精度研磨機を用いて、より短期間で納品できるように努めています。さらに社員のスキルを磨くことも欠かさず、短納期でありながら品質を落とすこともありません。
30代がメインで活躍しており、従業員が意見交換を盛んに行っているのも特徴。職人の高齢化が懸念される近年ですが、長く付き合っていける目途があるのも嬉しいですね。
工具の製造をメインに担っている会社です。また切削工具などの再研磨も対応してくれます。西研の大きな特徴が国家資格者を取得している専門家が多くいるという点。1級・2級の技能検定取得者も数名在籍しているだけでなく、会社自体が積極的に国家資格の取得を推奨しています。そのため研磨に関する専門的な知識を持った専門家による再研磨が可能です。
さらにコンピューターで制御できるNC旋盤や、手動研磨機、測定器なども多数所有しています。そのため研磨のスピードを上げるだけでなく、高精度な再研磨や研削を実現してくれるでしょう。
金属製品の研磨を主に携わっている会社です。両頭研磨機を使用した研磨に対応しており、スピーディーなモノづくりを実現できます。さらに大量の商品にも柔軟に対応できるでしょう。
また手動研磨や樹脂研磨などにも対応。表面処理に力を入れている会社だからこその、満足度の高い仕上がりの製品を提供してくれるでしょう。また小ロットのオーダーメイドの研磨や小さな部品の磨きもこなせるため、様々な研磨を依頼できます。
表面磨きの専門家として、丁寧にかつスピーディーに研磨できるほか、独自のネットワークを構築しているのも魅力的な点です。
バフ研磨を専門に行っている会社で、ベテランの職人が丁寧に手作業で一つひとつ磨き上げてくれます。その技術力の高さは、豊富な経験と卓越した職人の腕が備わっているからでしょう。ニーズに合った研磨器具の選択や回転数の調整を実施し、より高い品質の研磨を施してくれます。
その高い技術を再研磨にも活かしており、古くなった製品をまるで新品のように仕上げてくれるでしょう。出張研磨や郵送による依頼にも対応しており、忙しくて持ち込めない、遠方に会社があるなど、連絡さえすれば適した方法で研磨を実施してくれます。どのような企業からの依頼も受けやすいシステムが整備されているようです。
高精度のバフ研磨技術を活用し、要望によっては再研磨や溶接にも対応してくれます。求められている要望に近い状態で納品することを心掛けてくれている会社です。
#400のバフ研磨による鏡面研磨が行えるため、ステンレスの研磨跡を残さない高品質なバフ研磨を実施。食品や薬品製造に関わる機器の製缶にも対応可能です。他社に依頼し、仕上がりに納得できないなど不備があった際の磨きなおしにも対応しているため、イメージに合った仕上がりを求める方に適切な会社と言えるでしょう。
手作業による研削研磨に特化している会社です。手作業で仕上げることによって、機械では再現できない滑らかな仕上がりを実現しています。
また機械では研磨できないような複雑な形でも対応可能です。試作品や小ロットであれば機械磨きだとコストが高くなってしまうことも考えられ、手作業なら柔軟に対応しやすいでしょう。
もちろん手磨き以外にもベルト研磨やバフ研磨も行っており、顧客のニーズに合わせて選択してくれます。精度誤差±0.01mmという高い技術があり、アイパッドの鏡面磨きや内視鏡など医療機器にも携わった実績も。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。