光ファイバーケーブルには研磨が必要とされますが、なぜ必要なのかご存知でしょうか。本ページでは光ファイバーケーブルに研磨が必要な理由と注意点について解説します。
光ファイバーケーブルは光が通過するコア部分を対向させなくてはいけません。適切な方法で接続されないと接続損失が発生してしまうのです。光ファイバーケーブル同士が隙間なく接続するためには、研磨を施す必要があるのです。
フェルール端面の研磨を平面に行った場合、ファイバー芯線の間にわずかな隙間が生まれ、そこから空気が入ってしまいます。屈折率の違う媒体の境界面で反射が生じるため、反射を小さくするためにファイバー線間の間隔を取り除いて直接ファイバー芯線同士を接続させるのです。
光ファイバーケーブル研磨の種類は、PC研磨、SPC研磨、UPC研磨、APC研磨の4つです。
PC研磨とは、光コネクタの先端を凸球面上に研磨する方法です。光ファイバー同士を整合材なしで隙間なく直接接続させられるのが特徴。反射減衰量は25dB以上となっており、マルチモードファイバーの標準的な研磨方法とされています。
SPC研磨は、PC研磨を行った後に低反射研磨を行う方法です。研磨面は同じ凸球状で、より反射特性がアップし反射減衰量は40dB以上となっています。主にシングルモードファイバーの標準的な研磨方法とされています。
UPC研磨は、SPC研磨面の加工変質層を除去する研磨方法です。SPCより低反射性が高く、反射減衰量は50dB以上。PC、SPC、UPCはそれぞれ互換性があるため、区別せず使用可能です。
APC研磨は、コネクタ先端を斜めの凸球面上状研磨する方法です。反射光が光ファイバー外部に放射され、反射の戻り光をわずかにすることが出来るのが特徴。通常8度の角度で研磨されます。
光ファイバーケーブルの研磨方法は複数あり、それぞれ反射減衰量やコネクタ同士の接続互換性が異なります。そのため、用途・ニーズに合った研磨方法を選択しなくてはいけません。またAPC研磨に関しては、PC、SPC、UPC研磨との接続互換性がないため注意が必要です。
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