このページでは、研磨加工におけるコンパウンドについて解説しています。コンパウンドの説明をはじめ、コンパウンドが担う役割・形態・コンパウンドの選び方など、多角的に紹介しています。
コンパウンドとは、研磨剤のことです。磨き剤と呼ばれる場合もありますが、いずれにしても研磨粒子が含まれているのが特徴です。車の場合であれば、クロスやスポンジを使いコンパウンドで研磨をすることで傷を目立ちにくくできます。
一般に市販されている商品としてコンパウンドは、非常に重宝されている研磨剤です。またヤスリと同様研磨粒子の大きさは複数あり、一部のコーティング剤やワックスなどにも含まれています。
傷ついた車体や研磨石などを洗浄して研磨効果をより高める役割があります。研磨粒子が傷ついた塗装面などを徐々に研磨して滑らかにしていきます。細かい研磨粒子でみがけば、仕上がりはより滑らかになるでしょう。
一定の粘度がある液状になっているのが「液体コンパウンド」です。乾燥しやすいため、スピーディーに作業を進めることが大切です。むらなく塗り広げやすい性質があるため、広い面を研磨する場合に向いています。また液体コンパウンドは、他のタイプのコンパウンドよりも展開されている商品の種類が豊富です。用途に適した商品を選べるのは嬉しいポイントでしょう。
液体コンパウンドと比較すると、「粉体コンパウンド」は、耐久性や光沢性においてはより優れているといえます。一方で吸湿性が高いため、長期保存する場合は注意が必要です。
コンパウンドといっても色々な種類があるため、傷の状態や目的に合わせて使い分けていくことが大切です。自身の用途に適したコンパウンドを選ぶ際の基準として、主に「粗仕上げか光沢仕上げか」「目の粗さはどのくらいか」「水性か油性か」の3つが挙げられます。
粗仕上げ用コンパウンドの特徴は、洗浄・防サビ効果が高いところです。粗仕上げ用研磨石を使う際に、磨かれた表面が活性化して錆びやすくなったり、研磨石や工作物から出る摩耗粉で工作物が汚れてしまうのを防ぎます。
光沢仕上げ用コンパウンドの特徴は、適度な潤滑性をもち、工作物表面のなめらかさを促進できるところです。光沢仕上げ用コンパウンドを使用することで、光沢仕上用研磨石で磨いた工作物表面の光沢度を高められます。
「中目」は、紙やすりの#800~#1000ほどに該当する粒度です。研磨力が強いため、磨き傷が残りやすいので注意が必要です。自動車に研磨をかけるのであれば、塗装面に達している傷や広範囲にわたる傷などに適した粒度だといえるでしょう。
「細め」は、紙やすりの#1200~#1500ほどに該当する粒度です。自動車の場合であれば、塗装肌の調整段階で使われるのが一般的です。ウールバフの中でも固めのものにつけて使用するとよいでしょう。
「極細目~超微粒子」は、紙やすりの#2000~#3000ほどに該当する粒度です。仕上げの段階で使うことも可能です。やわらかいウールバフやスポンジバフなどにつけて使用します。
「艶出し」は、紙やすりの#6000~#15000ほどに該当する粒度です。かなり細かい粒子なので研磨のためというよりは、艶出しや磨き上げに適しています。やわらかめのスポンジバフにつけて使いましょう。
水性とはいっても、油分も含まれています。界面活性剤の効果により、油分が水に溶け込んでいる状態のコンパウンドです。油性コンパウンドよりも研磨力が強い反面、磨き残しが目立ちやすい傾向があるので、注意が必要です。
水溶性のコンパウンドに比べて研磨性が弱いため、丁寧に磨きたい箇所に適しています。溶剤が含まれていて、研磨漏れした部分でも傷を目立たなくできるという特徴があります。しかし、研磨をほどこしたわけではなく傷に溶剤が埋まって一時的に目立たなくなっているだけなので、脱脂作業をするとかえって傷が目立ってしまうケースもあるため注意が必要です。
あまり研磨作業に慣れていない人でも、コンパウンドを使用すれば比較的上手に傷を目立たない状態に仕上げられます。ただ思うように仕上げられない場合もありますし、あるいはワーク以外にコンパウンドが付着してしまうなど、想定外の失敗をしてしまう可能性もあるでしょう。
確実にきれいに仕上げたい場合は、やはりプロに任せるのがおすすめです。専門の研磨会社に依頼すれば、磨き傷が残ってしまうといった失敗をしてしまったり、満足できない仕上がりになってしまったりする事態を避けられるでしょう。
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