ワークの表面を鏡のように綺麗な光沢や写像性に仕上げる鏡面研磨。このページでは、鏡面研磨の特徴や加工の目的について紹介しています。
鏡面仕上げと言っても、用途によって仕上げのグレードはさまざま。グレードの難易度や使い分けについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
研磨によってワークの表面を鏡のような光沢へと仕上げる鏡面研磨。「鏡面仕上げ」と呼ぶこともあります。
その名の通り、ワークである金属の表面が、まるで「鏡の映り込み」のような状態になるように仕上げる研磨方法です。
ワークの表面を鏡面のように仕上げるとき、その目的としては主に2つが挙げられます。
一つは「見た目のよさ」。主に美観を目的とする加工を行う場合に鏡面研磨が用いられることが多いです。
もう一つの目的は、「気密度や機能性の向上」です。表面が粗いことが原因となり、製品のクオリティーが下がってしまうケースは少なくありません。
目的が「見た目のよさ」、あるいは「気密度や機能性の向上」であっても、仕上がりの精度を確認する際は機械が用いられます。同時に、目視による判定も大切なプロセスの一つです。そのため、品質管理の際は、機械と目視の両方でチェックが行われることになります。
ワークの仕上がりにおける「見た目の良さ」。つまり、美観を目的とした鏡面研磨は、写像性を強めたい場合にも行われます。また、研磨を施した「鏡面」に深みを出したいときも効果を発揮しやすい加工方法になります。
美観よりも機能性をとにかくアップさせる目的がある場合、あるいは美観だけでなく機能性も併せてアップさせたいワークを扱う場合もあるでしょう。そのようなときも、鏡面研磨が効果を発揮します。
また、鏡面加工を施したワークの機能性を確認する際は、光の反射の具合を測定する方法や、面粗さを使用した計測方法が採用されます。さまざまな金属材料のほか、光学部品やガラス部品などがその対象になります。
鏡面研磨が施されているワークが使用された製品を使用した場合、次のような効果が期待できます。
鏡面研磨仕上げは、グレードの大きさ次第で加工の難易度が変化します。例えば、#400程度の小さなグレードであれば、極端に高い技術が無くても仕上げることが可能です。また、技術を充分に身に付けていても、グレードの大きさによって適用不可能な仕上げもあるため注意が必要です。
ちなみに、適応しやすい素材としては、アルミ・銅・ステンレス鋼・チタン・真鍮などが挙げられます。設備が整っていれば、さまざまな形状のワークにも対応可能です。
鏡面研磨を施すことによって得られる主なメリットとして、次の3つが挙げられます。
鏡面研磨加工をほどこすことで、ワーク表面のバリ取りができます。かなり細かいバリまで除去可能で、小さめの傷や溶接を行ったときについてしまった跡も小さなものであれば、あわせて除去できます。そのため、ワークの製品としての安全性の向上にもつながるでしょう。
外見の美しさを高められるため、製品の安全性のみならず価値も同時に高めることが可能です。商品の中には、鏡面研磨による美しさ自体がデザインの一部としてアピールされているものもあります。
鏡面研磨を施すことでワーク表面の凹凸がなくなり、平滑性がアップします。一例として、鏡面研磨が施されたパイプ内面は、抵抗が低くなり液体や粉などの流れもスムーズになります。
鏡面研磨には定期的なメンテナンスが必要となります。鏡面研磨が施されている表面は、どうしても指紋跡や傷、錆びなどが目立ってしまいがちで、錆びや傷などが付いたときは再度研磨する必要があるため注意が必要です。
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