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電解研磨とは

ここではクリーンな表面処理技術として知られる、電解研磨の特徴やメリット・デメリットについて紹介します。

電解研磨とは電気化学的に研磨する方法

電解研磨とは、特殊な電解液の中で研磨対象物に電気を流し、電気化学的に溶解させながら機械部品や工作機械を研磨する方法です。

電気分解すると金属陽極は溶解しますが、電気研磨はその原理を応用しています。また電解研磨はクリーンな加工技術としても知られ、焼けや汚れ、表面にできる加工変質層を発生させないのも特徴です。

とりわけ、凸部の優先的な溶解が行われるという点で、バフ研磨など機械的な研磨と性質が大きく異なります。電解研磨の目的は、仕上げ処理を行いやすくすること、表面の汚れを除去して見た目を綺麗にすること、そして光沢性と耐食性を付けることも含まれます。

物理的に研磨しにくいものも電解研磨なら可能

電解研磨を行うメリットは実に多くあります。以下に列挙しますのでチェックしてみてください。

電解研磨はクオリティにばらつきが出やすい

電解研磨にはメリットだけでなくデメリットもあります。それは以下の通りです。

電解研磨はメリットの多い技術ですが、同時にグレードの高い技術サービスを提供できる業者が限られていることが、課題といえるでしょう。

電解研磨で加工できる材質

電解研磨に適している材質は、ステンレスではSUS304(L)・SUS316(L)、チタンでは、Ti_2種・Ti_1種・Ti_JIS60種、その他、ハステロイC-22、アルミ等、通電できる金属部品に対応しています。

【目的別】電解研磨の活用法

電解研磨とは、さまざまな目的に対応可能な研磨様式です。電解研磨を行う目的は、大きく分けて5つ「仕上げの前工程」「物理的に研磨が困難な場所へのアプローチ」「溶接焼けの除去」「耐食性のアップ」「バリ取り」にまとめられます。

ここではそれぞれの目的について、具体的に解説していきます。

仕上げの前工程

仕上げ研磨の前に電解研磨をすることで、最終的な仕上がりが電解研磨をしなかったときよりきれいになります。その理由は、電解研磨特有の融解作用によって、不純物や目に見えない細かい汚れが取り除かれて、ワークの表面がクリーンな状態になるためです。

さらに表面のキメも細かくなることから、汚れがつきにくくなります。仮に汚れが付着してしまった場合でも、表面は洗浄性の高さが保たれているため、取り除きやすくなるのです。

物理的研磨が困難な場所へのアプローチ

「物理的研磨」とは、バフ研磨などの機械的な研磨のことです。ワークの形状によっては、どうしても物理的研磨をしにくい場所や部分を有しているものがあります。そんなときに活躍するのが、電解研磨です。

たとえばハウジング内面の角部は、間隔内がかなり狭いため物理的な研磨が難しいです。あるいは油こしの内面も、細い先端の内部を研磨しなくてはならないため、物理的な研磨では対応しにくいでしょう。パイプ内面研磨も同様です。こういった部分でも、電解研磨なら対応が可能なのです。

溶接焼けの除去

溶接焼けを取り除く場合にも、電解研磨が行われることがあります。ただし電解研磨をしたからといって、溶接焼けがキレイに除去できるとは限らないのも実情です。たとえば、黒く炭化したような状態になっている場合などは、電解研磨や酸洗で取り除くのは難しく、物理的研磨で溶接焼けを落とすしか方法はないでしょう。

耐食性のアップ

ワークがステンレスである場合、ステンレス自体錆びにくい性質を持っていますが、そこに電解研磨を施すことで、クロムが凝縮されて「酸化皮膜」を再生できます。それによってより耐食性を高められるのです。

ただ、錆びてしまう可能性をゼロにすることはできませんので、その点は注意が必要です。中でも、塩分の多い環境で使用する物の場合、念入りなメンテナンスが求められます。

バリ取り

大きなバリでなければ、電解研磨で表面をなめらかな状態に加工できます。大きなバリの場合は、長時間にわたる通電をしなくてはなりません。そのため電解研磨が不可能というわけではありませんが、コスト面や、過電解トラブルのリスクなどを考えると、デメリットのほうが大きくなってしまいます。電解研磨以外にも、科学研磨で対応できるケースもあるので検討してみると良いでしょう。

電解研磨で白く曇る?

電解研磨をすることで、ワークの表面が白く曇ってしまう可能性があります。素地状態をできる限りピカピカに仕上げるためにおこなう電解研磨であるにもかかわらず、何が影響してのようなことが起こってしまうのでしょうか。主な影響の原因は「バフ研磨」「溶接熱」「電気分布」「ステンレスの材質」の4つです。まずは影響についてひとつずつ理解し、そのうえで有効な対策を講じていくことが大切です。

バフ研磨の影響

電解研磨をするためのバフ研磨においては、目の細かさごとに工程をいくつかに分けます。目の粗い物からスタートして、徐々に細かくしていき、#400から#600の鏡面仕上げになるようにします。

ただし、NO.7の場合は注意が必要です。というのは、目の細かいバフで大きな凸凹を平坦にしていく作業なので、電解研磨をすることでそれが剥がれて、地が出てしまう可能性があるからです。

参照元:株式会社中野科学
(https://www.nakano-acl.co.jp/denkai/aq-are.html)

溶接熱の影響

溶接箇所付近が曇ってしまう場合は、溶接熱の影響による可能性があります。溶接熱が付近の結晶構造などを変容させてしまうこと原因です。「鋭敏化」などと呼ばれる変容で、ワークの外観に影響します。

電気分布の問題

浸漬方式による電解研磨という工程の性質上、高電流部および低電流部が発生します。これは、平たく表現すれば、しっかりと研磨される部分とあまり研磨されない部分とが生じてしまう状態のことです。

ワークのサイズが大きければ、どうしても高電流部と低電流部の差も大きくなりがちで、したがって、仕上がりの差も目立ちやすくなってしまいます。ワークの全面をもれなく均等にピカピカにすることはきわめて困難です。

ステンレスの材質の問題

ステンレスにはさまざまな材質のものがあり、それぞれ成分が異なります。そのため、電気研磨を同じようにほどこしても、仕上がりは一様にはなりません。

また、販売されているステンレスの表面は何らかの加工がなされています。それも仕上がりにバラつきが出る原因となります。一例を挙げると、2Dは光沢を出すのが難しいですが、BAやヘアライン仕上げであれば光沢を出しやすいです。

参照元:株式会社中野科学
(https://www.nakano-acl.co.jp/denkai/aq-flat.html)

電解研磨による曇りを防ぐには?

ワークが電解研磨に適しているかそうでないかということに関しては、あらかじめ試験片などで電解研磨をかけて、様子をみておくのがおすすめです。また、電気分布の問題には、対極を設置するなどして、研磨されにくい箇所を極力小さくすしたり、あるいは弱電部に電気をあてなおすなどの工夫で対処することになります。

最後に、ステンレスの材質の差についてですが、一般的なSUS304-2Bであったとしても、仕上がりが異なってしまう可能性がゼロではありません。繰り返し生産を予定している製品などに対しては、ステンレスの鋼種だけでなく、そのロットも同じものを使用する必要があります。

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※ISO9001認定を取得、公式サイト上に研磨事例が掲載されている会社の中から、対応領域の種類が多い3社を選定(2021年6月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php

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