本ページでは研磨における面粒度不良の原因と対策について解説します。仕上がりの良い研磨会社を探している方は、ぜひ研磨を依頼する際の基本知識として参考にしてください。
砥粒の脱落による目こぼれが面粒度不良の原因となることがあります。目こぼれが起こると切れ味は良くなりますが、砥石の摩耗が増えることから表面が荒れるなど面粒度不良が発生しやすくなり、仕上げ面が荒くなる傾向にあるためです。
目こぼれは面粒度不良だけでなく加工精度にも影響を与えるため、仕上がりの品質が低下する大きな原因となります。
目こぼれとともに面粒度不良の原因になりやすいのが目詰まりです。目詰まりとは砥石の粒と粒の間に不純物が溜まり、研磨効果が低くなる現象のことを指します。目詰まりをすると研磨効果が低くなり面が粗くなるだけでなく、表面への傷の原因にもなります。
鋳造における粒度の粗さにより面粒度不良が起こるケースも少なくありません。砂型の砂の粒度が大きいと、研磨した工作物の表面は自然と粗くなります。表面の粗さは研磨の工程において改善できますが、十分な研磨が行われなかった場合、砂の粒度の粗さがそのまま残り面粒度不良となることがあるためです。
面粒度不良は研削液の劣化や不足により起こることもあります。研削液は脱落したり粉砕されたりした砥粒を洗い流す役割を担うので、その役割が正常に果たされていれば工作物の表面に傷がつく確率は低くなるでしょう。
しかし研削液が劣化していたり、量が不足していたりすると表面に細かな傷がたくさんついて、仕上げ面が粗くなることがあります。
面粒度不良を軽減させるには、荒く削った後、研磨をする前に表面のみ仕上げ削りを行います。粒度の粗さにより工作物の表面が粗くなっている場合に効果的な方法で、表面を均一にするだけでなく研磨の負担を減らすことにも繋がります。
研磨の前に仕上げ削りを行っている研磨会社なら、仕上がりの表面が粗いなどの問題が起こる確率は低いと考えられるでしょう。
適切な砥石を選ぶことも面粒度不良への対策のひとつです。研磨するものの硬さと砥石の硬さを合わせることにより、高い研磨効果を得られるようになります。
砥石の選定は作業員の判断にゆだねられるため、依頼する側が確認することは難しいですが、クリスタル砥石やダイヤモンド砥石は面粒度不良のない表面の粗さを得たいときに効果的だとされています。
目詰まりや研削液が原因で起こる面粒度不良に対しては、定期的に研削液を新しいものへと交換し、十分な量を使用して研磨を行うことが対策法です。古い研削液では砥粒やスラッジを洗い流す効果が低くなるので、面粒度不良やスクラッチが発生しやすくなります。
不純物が溜まれば目詰まりも起こりやすくなるため、新しい研削液を十分に使用して、クリーンな環境で研磨を行うことが大切です。
安心して任せられる
研磨会社3選
三陽工業
対応領域
計8
ISO取得
主な取引先
川崎重工業/三菱重工業/ダイハツ工業/日産自動車/ブリヂストン/三菱日立パワーシステムズ
大堀研磨工業所
対応領域
計5
ISO取得
主な取引先
オークマ/ヤマザキマザック/コマツNTC/川崎重工業/三菱重工業
東京ステンレス研磨興業
※ISO9001認定を取得、公式サイト上に研磨事例が掲載されている会社の中から、対応領域の種類が多い3社を選定(2021年6月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php)