本ページでは自動車部品の研磨について取り上げ、特徴や依頼できる研磨会社などを取りまとめて紹介していきたいと思います。
自動車部品に対応、ISO9001認定を取得している研磨会社の中から、対応可能な素材が多い3社を紹介しています。(2021年8月調査時点)
主にバフ研磨を用いて、さまざまな部品の研磨を行う職人集団。それが三陽工業です。研磨できる金属は鉄素材のほか、難削材であるアルミやステンレスも対応可能。バフ研磨に関しては、荒仕上げからヘアライン加工、光沢仕上げまで、高い技術力によって対応します。
要望に合わせ、柔軟に応えられるチャレンジ精神も三陽工業の特徴。個人依頼はもちろん、大口の研磨依頼や急ぎでの依頼にも対応可能。研磨後の塗装やクロムメッキといった要望にも応えられます。
20年前はバイク部品を専門に研磨をする会社でしたが、「やったことのないことをやってみよう」をスローガンに、現在ではさまざまな部品の研磨に対応しています。自動車部品に関しては、タワーバーやボディ、エンプレム、ホイールなど、研磨実績が豊富です。品質を保証するISO9001も取得しているので、安心して研磨をお任せできる会社といえます。
自動車部品、バイク部品、タービンブレード、ロボット部品、半導体、医療機器、航空機器、食品機器部品、金型、刃
1970年創業以来、バレル研磨一筋にこだわった精度の高い研磨を実現している東商技研工業。
バレル研磨とは、研磨石(メディア)と呼ばれる工作物、コンパウンドと水を一定の割合で混合・充鎮し、研磨槽のなかで回転や振動を与えることで研磨を行う方法です。
このバレル研磨はさまざまな用途に対応することができ、一度に大量の加工を行っても加工後の精度にばらつきが出にくいのが特徴。さらに、複雑形状の加工にも対応することができるなど、メリットがたくさんあります。
また、バレル研磨は加工コストが比較的安価であることも大きな特徴です。
このように、最大限のパフォーマンスで仕上げる研磨加工は、小ロットから量産・試作まで、さまざまな研磨に対応。現在はスマートフォンやデジタルカメラ部品などの電子機器をはじめ、医療機器や自動車部品など、多種多様な業界に導入されています。
東商技研工業では、新規依頼に限り、研磨試作を無料で提供。回転バレル研磨・遠心バレル研磨・振動バレル研磨・サンドブラストに対応しており、要望に合わせて適切な研磨方法を提案しています。
家電部品バレル研磨、OA機器部品バレル研磨、家庭雑貨バレル研磨、その他精密部品バレル研磨、自動車部品バレル研磨、医療部品バレル研磨
1951年創業以来、研磨専門会社として70年の実績を誇る東京ステンレス研磨興業。素材の特性を最大限に引き出す研磨を得意とし、機能性や耐食性を高めた「付加価値向上」の研磨技術を実現しています。その用途は多岐にわたり、厨房や車輌・建材や家電製品、医療機器や半導体などさまざまな分野で活躍しています。
東京ステンレス研磨興業の大きな特徴は、先進技術を駆使した研磨技術を取り入れていること。
東京ステンレス研磨興業独自のステンレス下地研磨技術である「EGR研磨」や、精度を各段に高めた「ナノテク研磨」、装飾品の研磨に特化した「意匠性研磨」、コイル状の鏡面研磨が可能な「連続研磨技術」など、さまざまな用途に対応可能な技術力を持っています。
創業から大切にしてきた伝統的な研磨技術に先進の技術を取り入れることで、さまざまな分野に応用できる研磨技術を開発しています。
厨房・車輌・建材・家電製品・各種タンク・医療機器・半導体製造装置・クリーンルーム・OA機器外装・電子材料・携帯電話・その他
納入実績として自動車部品のほか、製紙パルプ関連、食品関連のバルブなど。各機器のバルブや継ぎ手の研磨に自信を持っています。
銅や鉄、アルミ、ステンレスなどの無垢の金属なら研磨可能という前山研磨工業。小ロットから汎用製品まで対応してくれます。
1968年の創業から半世紀以上の歴史を持つKANO PRECISIONは、月産数十万個の研磨にも対応する技術を持っています。自動車部品については、両頭研磨を行なっています。
薄板、厚板、ヘアラインなどさまざまな研磨機を保有する双葉ステンレス工業。研磨以外に、レーザー加工や曲げ、溶接なども対応。
1976年創業以来、「研削・研磨一筋」を大きくアピール。車輛の研磨実績があり、大型から小型部品まで柔軟に対応してくれます。
トヨタ自動車やマツダ、本田技研工業など、複数の自動車メーカーと取引があるシケン。公式HPにはドアハンドルの研磨事例が載っています。
研磨会社全般に言えるのは、どの会社も得意・不得意、専門・専門外があること。たとえば、平面研磨の設備で運営していれば、筒状や複雑な形状の研磨はできません。それなりの精度を求められる平面研磨は対応できない会社が大半で、製品の形状によって会社を選ぶことが基本です。
会社によっては公式HPに保有設備を公開していることが多いので、それらを参考にして依頼先を絞るのも有効な手段の一つでしょう。
素材表面の状態によっても工数(作業時間)が異なり、図面だけでは金額を出しにくいこともしばしば。実際に対象製品を確認してもらってから話を進める方が無難です。
納期は、依頼主の納期相談に耳を傾けず一方的に納期を決めてしまう会社は避けましょう。納期の相談ができないと、品質に関しての追加や変更にも対応してくれない場合があるからです。
お客様の立場に立って研磨を考えない会社に、良い仕事はできないはずです。
大まかに分けると、まず、摺動や回転する部位に用いられる部品が挙げられます。主にベアリング、シム、クランクシャフト、フライホイールなど。そして外観的な美観を求められるものとして、バンパー、マフラー、タイヤホイールなどの需要も高いです。さらにはオイルを循環させる経路に用いられる部品にも研磨が不可欠です。
自動車部品に限らずすべての研磨で言えることですが、費用は業者によっても、依頼する部品の材質や形状によっても、ケースバイケースです。
たとえばある業者では、部品の種類ごとに単品1,000円から3,500円としていますが、これもあくまで目安であり、実際には個々の案件ごとに見積りとなります。この点はしっかり踏まえておいてください。
自動車部品の具体的な研磨方法はどのような流れで行うのでしょうか?ここで、個人でできる研磨方法についてご説明します。
研磨の手順
ボディの研磨作業をする前に、必ず行っておきたいのが洗車。車体表面の小さな砂ぼこりや鉄粉をそのままにすると、研磨時さらに傷を作ってしまう可能性があります。水と専用のカーシャンプーを使用し、普段の洗車よりも入念にボディ部を洗浄しましょう。
洗車時に注意したいのが、水垢などのしつこい汚れ。水垢の中には細かいチリが含まれているため、研磨前に水垢専用の洗浄剤で綺麗に落としておきましょう。
洗車後は落としきれなかった鉄粉を除去する作業を行います。細かい鉄粉を取り除くには、クリーナー用の粘土を使うと効果的。使用後は再び洗車をしましょう。
洗車後のボディに水分が残っていると、研磨作業に使うコンパウンドの効果に悪影響が及ぼされます。また、研磨後のボディに残留物が残るといった問題も発生するため、洗車後は十分に乾燥させましょう。ドアノブやミラーの直下、パンパーとボディのすき間など、水滴が残りやすい場所を意識しながら、タオルである程度の水分を取り除く必要があります。
水滴を除去した後は、車をしばらく放置してボディを完全に乾かしましょう。
研磨作業におけるマスキングとは、汚したくない場所にあらかじめ養生テープを貼り付ける作業のこと。ガラス周りのプラスチックモールやメッキ部分、さらに磨く部分に対して異なる素材にテープを貼り、誤って研磨しないよう保護しましょう。
研磨作業では、市販されているポリッシャー機器・バフ・コンパウンドを使ってボディを磨いていきます。
作業ではホコリのつかない場所を選び、さらにエアーコンプレッサーがあるなら作業前にホコリを吹き飛ばすとより効果的です。
研磨剤であるコンパウンドをバフの3ヵ所にパチンコ玉大の大きさの量をつけたあと、ルーフ部分からボンネットといったように、高い所から低い所へ順番に磨いていきます。
磨く範囲はおよそ40~50cm四方。奥から手前にかけて縦方向にジグザグに磨いたあと、横方向へもジグザグに磨くことで、ムラなく均一に磨けます。
ワイパーやエンブレム、モール、ライトなどにバフが当たらないよう注意しながら、ゆっくりとしたスピードで磨くのがコツ。ポリッシャーで磨けない場所や、バフを当てたくない部位の付近は、マイクロファイバーのクロスを使い手作業で磨きましょう。
研磨後は洗車し、脱脂作業を行います。
コンパウンドにはたくさんの油脂が含まれており、研磨後にコーティングをすると残った油脂がコーティング剤に影響を与え、曇りやムラの原因に。脱脂シャンプーやシリコンオフ、エタノールなどを用い、クロスを使って丁寧に油脂を取り除きましょう。
研磨後は今までのコーティング剤も取り除かれているので、ボディを保護するため再びコーティングを行います。
キメが細かく柔らかいスポンジを使い、コーティング剤に書かれた使用法に従ってムラなく塗っていきましょう。
コーティング後は乾燥させ、コーティングの被膜を強固に形成させます。コーティング剤を塗って1週間後、再び重ね塗りをすることで、コーティングの効果をさらに高められます。
もちろん製品によって使い方は異なるので、重ね塗りができるタイプか事前に調べてから使用しましょう。
研磨の手順
タイヤからホイールを外した後、ボディと同じく研磨前の清掃を行います。清掃後はタオルで水滴をふき取り、よく乾燥させましょう。
研磨部分以外を保護するため、マスキングを施します。
アルミホイールは曲面が多く、通常のマスキングだと貼りづらいので、曲面用のマスキングテープを使うと良いでしょう。
軽いすり傷の場合、耐水サンドペーパーを使って傷のある部分を磨きましょう。
腐食やブレーキダストなどの場合、コンパウンドを使って磨きます。特にブレーキダストを磨くときは、専用のクリーナーである程度除去しておくのがおすすめ。ホイールの負担を押さえつつ研磨ができます。
アルミパテ塗布の工程の前に、シリコンオフを使って油分を取り除きます。この作業を行うことで、アルミパテが塗り込みやすくなります。
パテを塗る周囲にマスキングテープを貼り、2~3分混ぜたアルミパテをやや盛り上げ気味に塗ります。1時間後にマスキングテープを剥がし、12時間以上乾燥させましょう。
パテが乾燥した後は、耐水サンドペーパーで磨いて仕上げます。
320番・600番・1,000番といったように、徐々に細かいサンドペーパーを使い仕上げていくのがコツです。
研磨の手順
研磨作業を行う前に、ヘッドライトの洗浄を行います。車体・ホイールと同じく、ヘッドライトには無数の砂ぼこりが付着しているため、洗浄せずに研磨作業を行うとライトに傷をつける恐れがあるからです。
また、洗浄後はクリーナー用の粘土を使い、表面に残る鉄粉も取り除きましょう。粘土を使う際は、水を掛けながら行うと作業がしやすくなります。
洗浄作業が終わった後は、ヘッドライトの周囲をマスキングテープで覆います。研磨作業前に行うことで、作業中にボディを傷つけることを避けられるのです。マスキングテープを貼り終えた後は、いよいよ研磨に移ります。
ヘッドライトの研磨は、耐水ペーパーとバフ掛けによって対応します。
カー製品用の耐水ペーパーを使って粗研磨を行い、次にバフとコンパウンドで仕上げるのが主な流れ。羊毛からスポンジへとバフ剤を変えていくことで、ヘッドライト本来のツヤが徐々に蘇るでしょう。
残ったコンパウンドや研磨後の小さなチリを取り除くため、ヘッドライトの洗浄を行います。コンパウンドを使った場合、油分を取り除くため脱脂シャンプーやシリコンオフを使いましょう。
洗浄後は十分に乾かし、コーティングを行います。研磨作業後はライトを保護していたハードコートが剥がれた状態となるため、再びコーティングを行いライトを保護する必要があるのです。
コーティングでは、ヘッドライト用のアクリル樹脂やガラスコーティングを施しましょう。
必要な道具を揃え、やり方を理解すれば車の研磨を行うことは可能です。
しかし、1人で研磨をするとなると時間がかかる上、道具や機器をそろえる費用も必要となるので、手軽にできる作業ではありません。
また、市販のポリッシャーやコンパウンドは、専門家が使用する道具に比べ性能面で劣る場合も多く、部位や素材ごとの研磨方法を熟知していないと綺麗に研磨ができないことも。こうした問題から個人での研磨が難しいのであれば、その道の専門家である研磨会社に依頼してもよいでしょう。
もちろん会社に依頼する以上ある程度の費用はかかりますが、専門家の技により隅々まで丹念に磨かれた車は、素晴らしい仕上がりとなるでしょう。多少の費用が掛かっても、車をより美しく磨きたい人は、研磨会社への依頼をおすすめします。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。