ここでは研磨処理技術の一つ、化学研磨の特徴やメリット・デメリットについて詳しく紹介しています。
化学研磨では、化学研磨液と呼ばれる特殊な液を熱し、化学反応を発生させた上で液中に対象物を浸漬させ、表面を溶かしながら研磨処理します。
溶解された対象物表面はクリーンな状態になり、平滑化され光沢性が生み出されます。化学研磨は化学研磨薬品による処理であり、電気を使わないため、バリが発生したり元の表面が残ることはありません。また通電しない分、比較的ローコストでの処理が可能です。
一方で、複雑な形状のステンレス表面を高密度で処理することもでき、異物やスケール除去、洗浄にも化学研磨は適しています。
化学研磨を行うメリットは実に多彩です。極薄板製品や加工形状製品のバリ取り・キズ取りなど、機械研磨では難しい処理が行えることや、それらの処理を同時かつ大量に処理できるのは化学研磨ならではのメリットです。
また、製品の要求に合わせて様々な処理条件の管理を行うことができ、ミクロン単位レベルでの研磨量の調整も可能です。対象物の重量や厚みをコントロールするのは容易ではありませんが、化学研磨ならそれができます。
さらに、機械研磨に比べて加工変質層が発生しないことや選択性がないことも利点でしょう。化学研磨の場合、対象物を液に触れさせることができれば、位置や形状に関係なく均一に研磨処理することができます。そして一度に大量の製品を処理できるため、生産効率が良く、ローコストで済むところも大きな長所です。
化学研磨のメリットである選択性がないという特徴は、対象物表面が凸凹してる場合は凸凹を平坦化することが難しくなるため、一方ではデメリットでもあります。
また電解研磨に比べて耐食性の向上が劣るという短所もありますが、これについては、化学研磨後に不働態化処理することで問題をクリアし、耐食性を向上させることができます。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。