このページでは、2つの砥石を使って表面加工を行う両頭研磨について紹介しています。両頭研磨の加工法の特徴や、この研磨方法に適したワークやその形状について紹介。
また、両頭研磨における加工方法の違いについても併せて紹介しています。ワークや用途に適した研磨処理を検討する際のヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
両頭研磨は、2つの砥石を同じ向きにして回転をかけ、砥石の間にワークを通して両面の研磨を行う加工方法です。作業時は2つのヘッドがある研磨機械を使用します。
ウエハーや薄いギヤ、プレート状の部品や製品など、厚み管理が必要になるものや反対側に位置する端面を両方同時に加工して平行状態にするものなどに使用する加工法です。また、量産加工にも向いている点も特徴の一つと言えます。
回転する2つの砥石で挟み込んで研磨を行うため、両面が平面かつ平行になっている形状のワークを加工する場合に適しています。
そのような形状をもつワークとしては、自動車部品に使用されるシムやスナップリング、ピストンやベアリングの端面部分などが主な例として挙げられます。
両頭研磨の加工方法の性質上、次の2点が主なメリットとして挙げられます。
両面を同時に研磨できるため、加工処理をスピーディーに進められるようになります。そのため、生産性をアップさせたいときに有効な加工法で、量産品の対応に優れていると言えます。
基本的に、片面だけに研磨を施す場合は、ワークは固定しておく必要があります。固定する際に便利なアイテムとしてはマグネットが挙げられますが、ワークが非磁性鋼である場合はマグネットも機能しないため、固定することが困難になります。
一方、両面を一度に加工できる両頭研磨ではワークを固定する必要が無いため、非磁性鋼のワークの場合でも問題ありません。その他の研磨加工では対応が難しいワークの対応においても、両頭研磨であれば問題を解消できることがあるのです。
両頭研磨では、高い寸法精度が実現できます。ワークの両面が高い精度で平行になるように仕上げられるため、幅広い用途のワークの表面加工方法として活用できる点も、両頭研磨の特徴の一つだと言えるでしょう。
2つの砥石の間にワークを通す両頭研磨ですが、その回数によって、ワークの仕上がり具合を調整できるところも注目です。
ワークを通す回数が多ければ多いほど、表面の加工精度は上がっていきます。また、円形運動をかけることで、加工精度はさらに上がります。
このようなワークの通し方は「インフィード式」と呼ばれています。また、ワークを一度通すだけの場合は「スルー式」と呼ばれています。
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