研磨会社において、研磨や研削の「抵抗力」は作業に影響を及ぼす大切な要素です。どのようなときに抵抗力が高まるか、抵抗に影響を与える要素とは何かを知っておくことにより、研磨・研削作業がさらにスムーズになり、研削対象物の仕上がりも変わってくるでしょう。
このページでは研磨・研削における抵抗について解説します。
研磨や研削の過程で生じる「抵抗」とは、研削の際に砥石側に起こる工作物による押し戻しの力のことです。力学の分野では法線研削抵抗と接線研削抵抗で示されることもあります。研削で発生する力は「背分力」「主分力」の2つです。切削では背分力のほうが主分力よりも大きいのに対し、研削では反対に主分力よりも背分力のほうが大きくなります。
主分力は工作物に対してねじる力として働き、背分力は砥石の軸や工作物を動かす力として働くため、背分力が主分力に比べて大きい研削では砥石の軸がぶれやすく、切残しができたり、形状や寸法に狂いが生じたりしやすいため抵抗力が問題となることがあります。
また研削抵抗は研削時の砥粒にも作用し、砥粒を保持する力と抵抗力が同等になると砥粒が脱落する現象が起こります。以上のように研磨や研削における抵抗は、作業に大きく影響を及ぼす要素です。
研削抵抗は平均切りくず断面積に工作物の比研削抵抗を乗じて砥粒ひとつあたりの研削抵抗を求め、さらに同時研削切れ刃数を乗じることにより算出可能です。
研磨や研削において抵抗を与える要因は、次のように多岐に渡ります。
研磨の抵抗に影響するひとつめのポイントが、砥石の集中度です。砥石の集中度とは、結合剤の中に含まれる砥粒の量で、数値が大きいほど集中度が高いことを示します。
集中度が高い砥石は摩耗しづらいため目詰まりや目つぶれを起こしやすい傾向にありますが、目詰まりしている状態は研磨・研削において抵抗力が高まる要因です。
砥石の集中度・密度とともに抵抗に影響を与えるのが、砥粒の形状です。一般的に丸い形の砥粒のほうが抵抗が小さいとされ、平たい形の砥粒で研磨時の抵抗が大きくなります。砥粒が丸いと研削物に接する面積が小さくなるので抵抗力が小さくなる理論です。
砥粒の突き出しの高さは目詰まりしやすいかどうかに影響を与えます。突き出しの高さが十分にある場合は抵抗力が小さくなる可能性が高いですが、突き出しの高さが十分ではなく、目詰りしている状態となると抵抗力が大きくなります。
つまり突き出しの高さが十分であり目詰りしにくい状態になっているとき、砥石は抵抗力も低い状態となるはずです。また目詰まりのしやすさの観点から考えると、突き出し高さだけでなく、ボンドの性状により目詰まりが起こり抵抗力が大きくなることもあります。
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研磨会社3選
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主な取引先
川崎重工業/三菱重工業/ダイハツ工業/日産自動車/ブリヂストン/三菱日立パワーシステムズ
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ISO取得
主な取引先
オークマ/ヤマザキマザック/コマツNTC/川崎重工業/三菱重工業
東京ステンレス研磨興業
※ISO9001認定を取得、公式サイト上に研磨事例が掲載されている会社の中から、対応領域の種類が多い3社を選定(2021年6月調査時点)
※情報参照元:三陽工業(https://sanyou-ind.co.jp/company/)、大堀研磨工業所(http://www.ohorikenma.co.jp/quality.html)、東京ステンレス研磨興業(http://www.tskenma.com/company/history.php)