仕事でもプライベートでも、毎日のように身に付ける時計。大切に扱っているつもりでも、知らない間にガラス部分である風防(ふうぼう)の傷や、金属製のベルトや金具に錆が現れてしまうときがあります。
時計の傷や錆への対処は、主に研磨による方法で行われます。
はじめに断っておきますが、自力での研磨はあくまで自己責任のもとで行ってください。
ここで紹介する研磨方法は、プロが行う方法よりも精度が低く、満足のいく結果が得られない可能性があります。また、研磨の経験のない一般の人が行うと、研磨のし過ぎで逆に傷がついてしまうことも考えられます。
どうしても自分で対応したいという方は、使用する研磨用品や研磨の方法を熟知した上で行いましょう。
風防に使われている素材によって、研磨方法は異なります。以下が時計の風防に使われている主な素材です。
風防がアクリルやプラスチックの場合、プラスチック磨き用クロスやプラスチック研磨剤を使って磨くとよいでしょう。
ミネラルガラスの場合、粒度の細かいプラスチック研磨材だと傷をカバーし切れない場合があります。その場合は粒度の粗い耐水ペーパーを使用しましょう。#1,000から使用し、#2000番で磨いた後、仕上げにプラスチック研磨材を使うことでツヤのあるきれいな状態に研磨ができます。
サファイアクリスタルガラスは研磨が難しく、また使われている時計が高価であることからも、自力での研磨よりもプロの業者に依頼する方がよいでしょう。
耐水ペーパーは粒度が粗いため、間違えてプラスチック風防に使用すると余計な傷が現れます。風防の素材がわからない場合は、プラスチック用の研磨剤で研磨しましょう。
プラスチック用の研磨剤は研磨効果は低いものの、時間をかけて丹念に研磨をすれば、細かい傷への研磨も行えます。ミネラルガラスに使用しても傷がつくリスクは低いので、迷った時はプラスチック用の研磨剤を使うと良いでしょう。
金属の種類によって研磨方法は異なりますが、今回は最も種類の多いステンレス研磨の方法についてお伝えします。
初めに風防にテープを貼って保護し、#1,000~1,500番手の耐水ペーパーで磨きましょう。研磨をした後はステンレスを始めとした金属の研磨剤を使って仕上げます。磨き方に関しては、ヘアラインと呼ばれる細かい線のような模様がある場合は、ヘアラインの方向に沿って磨くと良いでしょう。
研磨剤のほか、ステンレス研磨用のクロスで磨く方法もおすすめできます。
風防用研磨剤は、別名ポリウォッチと呼ばれ、時計についた小さなキズを除去するのに使用する研磨剤です。少量の研磨剤を専用の布につけて磨くことで、小さなキズを簡単に取り除くことができます。注意したいのは、研磨剤にもさまざまなタイプがあるということ。アクリルやガラスなど、タイプに適した風防用研磨剤があるので、まずは手持ちの時計の種類を確認しておきましょう。
金属磨き剤は、黒ずんだ金属を綺麗にする研磨剤です。液状タイプやチューブに入ったネリ状タイプなど、豊富な種類の磨き剤が販売されています。初心者でも扱いやすく、効果を実感できるのが特徴。アルミやステンレスをピカピカに研磨したり、サビ落としとして使用することも可能です。時計はもちろん、さまざま金属の汚れ落としに効果を発揮します。
シカやヤギ、キョンなどの動物の皮を使ったクロスです。キメが細かく、やわらかいため、研磨剤を使った時計の研磨に使用できます。汚れを落とす効果が高いので、普段のクリーニングに使用しても良いでしょう。
細かい時計の傷であれば、個人ででも研磨によって対応はできます。しかし研磨しても簡単にカバーできない深い傷や亀裂の場合、個人による対応では限界があります。
研磨が難しい場合は、専門の研磨会社に依頼しましょう。
東京に店舗を構えるアトリエビギは、時計の修理や貴金属の修理を行う専門店。国産メーカーはもちろんのこと、ロレックスやオメガなどの高級ブランドの修理も可能。小さいキズや汚れを落とす研磨や、クリーニングをセットにしたお得なプランを提供しています。
時計、貴金属、アクセサリー
都内4店舗での修理受付のほか、WEBサイトでの受付で全国からの修理依頼に対応できるウォッチ・ホスピタル。単に修理や研磨を行うだけでなく、メーカー供給のオリジナルパーツ・代替パーツを探し、依頼者にとってより良い形での修理を目指します。
「生活に密着した場所で専門的な時計修理を」がウォッチレスキューのモットー。電池交換からクリーニング、研磨、オーバーホールにいたるまで幅広く対応してくれます。
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