メッキは研磨加工の種類ではありませんが、研磨と密接な関わりがある加工法です。金属表面に膜を付着させるため、予め鏡面処理などを施しておけば凹凸がなくなり、均一な薄さのメッキが貼れるでしょう。
メッキとは、金属・非金属を問わず、様々な製品や素材の表面に対して任意の金属を付着させ、膜を形成させる技術の総称です。メッキ加工の材料に使われる金属としては、金、銀、銅、クロムなど様々なものがあり、それぞれの目的や製品に応じて使い分けられています。
メッキ加工を行う目的は、金属素材の特性を対象品に獲得させたり、製品・素材の劣化を防止したりと、用途によって様々です。特に素材として用いられる金属によって、見た目を美しくする目的で施されることも多々あります。
代表例を挙げれば金を使った金メダルや金管楽器、銀を使った銀メダルや食器、クロムを使った自動車のタイヤホイールやアクセサリーなど、枚挙にいとまがありません。
その他にも、耐久性が求められる製品に防さび効果を持たせたり、またプラスチックの任意の部分へ通電性を持つ金属を成膜させて、電子基板の配線を形成したりと、その用途は様々です。
メッキの歴史は古く、紀元前1500年頃からはすでに人類がメッキを活用していたという記録も残っており、日本へは中国大陸などから伝来して、有名な例では奈良県の東大寺にある大仏の建立などにも活用されました。
古代において、メッキは熱で溶かした金属で表面をコーティングする方法が用いられていましたが、電池が発明されたことによってメッキ技術の幅が一気に広がり、現代では様々な方法によるメッキ技術が確立されています。
奈良の大仏などに使われていた方法であり、アマルガム(水銀と金粉の合金)を対象の表面に塗布して、炎で熱して水銀のみを蒸発させ、金を成膜させる方法です。
水槽内に製品を沈め、そこへ電気を流して、電気の力によって金属をワークの表面に成膜させる方法です。短時間で色々な製品へメッキできる上、コストも抑えられるというのがメリット。一方で均一なメッキが難しく、複雑な形状を持った製品ではメッキのムラが出やすいというデメリットもあります。
無電解メッキは特殊な液体を使って対象の表面にメッキ加工を施す方法です。電解メッキよりも美しいメッキを施せますが、使用できる金属が少なく、メッキに時間やコストがかかることがデメリットといえます。
例えば硫酸銅メッキが溶けた水槽へ鉄製品を浸すと、化学反応によって硫酸銅の銅と鉄が入れ替わります。置換メッキはこの置換反応を応用したメッキであり、耐食性の高い製品を作ることが可能です。ただし、金属と素材の密着が弱かったり、メッキ可能な厚さが限られたりと、デメリットも少なくありません。
三和メッキ工業は、福井県にあるメッキ加工に特化した専門業者です。「全国めっき技術コンクール」で厚生労働大臣賞などを複数受賞※しており、創業から2020年12月までの時点でメッキ加工実績35,810件という点も見逃せません。
三和メッキ工業では、12種類のメッキ処理と9種の独自技術を活用して、様々な金属特性や相性を考慮した高精度メッキを追求しています。またメッキの研磨にもこだわりがあり、複数のバフを使って多種多様な金属を研磨可能です。
マルイ鍍金工業は国内に4拠点、海外の2拠点を持つメッキ加工業者であり、小サイズから大型製品まで幅広く対応可能という点が特徴です。また、令和2年春には代表取締役が旭日単光章を受勲するなど、客観的に企業価値が認められていることもポイントでしょう。
溶融亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキといったメッキに加えて、研磨技術も電解研磨・バレル研磨・バフ研磨と複数に対応しているため、多種多様な製品に対応した表面加工を行えます。
三光製作は、静岡県浜松市でメッキを用いた表面加工から製品の開発・製造にまで一貫対応している会社です。様々なメッキに対応しており、また医療分野や環境分野などに特化した抗菌性を追求する抗菌メッキ「KENIFINE」といった技術も有しています。
メッキ加工前の素材研磨から、銅メッキ加工後に表面の色を整える特殊処理でのバフ研磨、電気と薬剤を使った電解研磨など、メッキ研磨を使い分けている点も重要です。
大阪市にある野村鍍金は大正5年創業の会社であり、産業用機械向けのメッキ加工や研磨作業に対応しています。JAXAが開発したH3ロケットエンジンのメッキから、医療機器のメッキまで、幅広い対応力も見逃せません。また、野村鍍金は当時の文部省(現・文部科学省)と協同で「電解研磨」の技術を確立した企業でもあります。
その他、表面処理技術コンサルタントが表面加工のプロとして様々な企業の相談に対応しています。
山旺理研は硬質クロムメッキに特化した愛知県の企業であり、縦型自動メッキラインの開発によって企業のニーズに応えている表面加工会社です。
硬質クロムメッキでは、素地表面の状態がメッキの仕上がりや耐久性に大きく影響するため、山旺理研ではバフ研磨にも力を入れており、特注の研磨布紙を用いた加工前・メッキ後のバフ研磨を行っていることも特徴です。
>当サイトでは「研磨会社」とGoogle検索してヒットした研磨加工会社42社(2023年8月21日調査時点)の中から、研磨に関する特許を取得している企業を対応できる素材別に3社を選出しています。